3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:24:27.17 ID:+EtVRVLso
向日葵(なんなんですのよ……話したいことって……)
こんなことを言われたら嫌でも気になってしまうのに、何も聞いちゃいけないなんてずるい話がありますか。私は心の中で櫻子に文句を言った。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:24:57.38 ID:+EtVRVLso
もしかして。
もしかしたら……私にとって、嫌な話かもしれない。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:25:33.87 ID:+EtVRVLso
〜
強い考えごとをしながら眠ると、身体は眠っていても脳は起きたままになってしまう。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:26:17.23 ID:+EtVRVLso
向日葵「…………」
櫻子「おっ、おはようっつってんじゃん! なんか言えよ!!」
向日葵「お…………はよ、ございます」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:26:46.46 ID:+EtVRVLso
向日葵「あっ、おはようございますっ」
撫子「おはよ。こんなところでケンカしてないで、早く学校行きな」
櫻子「け、ケンカはしてないもん……!」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:27:26.75 ID:+EtVRVLso
〜
学校に到着するまでの間、櫻子とはほとんど何も話さなかった。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:27:54.46 ID:+EtVRVLso
心の中では、いつかはそうなると思っていた。でも今じゃないと思い込んでいた。けど一方で、いつでもそうなってよかったと思う自分もいた。むしろ……そうなりたかった。
互いの気持ちが拮抗して、凝り固まってできた大きな壁。私はこの壁に身体を預けてもたれているときが、一番安心感を得られる時間だった。壁の向こうではきっと櫻子も、同じようにして壁に背を預けていた。
いつかはこの壁を壊すときがくる。いつかは必ず壊さなきゃいけない。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:28:28.59 ID:+EtVRVLso
〜
朝から控えていた体育を終え、気持ちのいい汗をかき、教室の冷房も効いてきて過ごしやすくなってきたところで迎えた理科の時間。今日の授業内容は期末テストの返却と試験内容の復習だった。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:28:56.00 ID:+EtVRVLso
安心感がじわじわと湧きあがってきて、昨晩まったく休めなかった頭が今になってとろけてきた。ほどよい暑さもあいまって、まどろみに包まれる。私は視界の端に櫻子を入れながら目を閉じた。
問題を解説する西垣先生の声が遠のく。まったりとした時間の流れを全身で感じる。その一秒一秒が心地よかった。
こうやって時間をすごせば、授業はすぐに終わる。学校もすぐに終わる。今日が終わって明日になる。明日の学校が終わったら、櫻子が私のところに来る。どんなことを話すのだろう。どんな顔で聞いてあげればいいのだろう。今はまだ何もわからない。でも何を言われたって、私たちはきっと前に進むことになる。歩みを揃えて、一緒に一歩ずつ未来へと踏み出していく。目の前には、大きな大きな夏休みが控えている。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:29:22.16 ID:+EtVRVLso
〜
放課後。今日は一学期最後の生徒会活動の日。本日の仕事はしばらく使わなくなるこの生徒会室の掃除だった。
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