12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:29:22.16 ID:+EtVRVLso
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放課後。今日は一学期最後の生徒会活動の日。本日の仕事はしばらく使わなくなるこの生徒会室の掃除だった。
今日に限ってはデスクワークよりもこういった身体を動かす作業のほうがいい。寝不足の影響で身体が気怠いため、おとなしくしているとまた眠ってしまう。私は小気味よくモップを動かして隅々まで掃除をした。
千歳「不要なものは処分してしまわんとなぁ。捨てていいプリント類は会長がまとめておいてくれたみたいやで」
綾乃「一回ゴミ捨て行きましょうか。私はたまった古紙を持つから、千歳はゴミ袋お願い」
千歳「りょーかい」
櫻子「あっ、私! 私行きます!」
綾乃「え?」
ゴミ捨てに向かおうとする先輩たちの背中に、椅子の上に立って窓拭きをしていた櫻子が声をかけた。
千歳「んん、ありがたいけど、こっちはうちらで大丈夫やで?」
櫻子「いやいや、それ重そうだし! 私こう見えて力あるんで! むしろ一人で全部持てますよ!」
綾乃「これを一人は無理よ……大室さんは窓の拭き掃除やっちゃって? まだ途中でしょ?」
櫻子「あぅ……」
綾乃「帰ってきたら私たちも手伝うから。それじゃ行ってくるわね」
先輩たちがゴミ捨て場へと向かう。櫻子は何か言いたげにしていたけど、またすぐに椅子の上に立ってせっせと窓を拭きはじめた。そこでやっと櫻子の意図に気づく。どうやら先輩がいなくなって、私たち二人きりになるのを避けたかったらしい。
向日葵「…………」じーっ
櫻子「…………」きゅっきゅっ
向日葵「……櫻子」
櫻子「なっ、なに」
向日葵「……なんでもない」
櫻子「な、なんでもないなら話しかけないでよ!」
向日葵「なんで怒ってるんですの?」
櫻子「怒ってないよ!」
向日葵「あ、それマジックリンじゃなくてアルコールスプレーですわよ」
櫻子「……まちがえた」
向日葵「はい、こっち」
櫻子「……うん」
明らかに気まずそうにしている櫻子。その気まずさを振り払おうとするかのように、ごしごしと窓ガラスを磨いている。
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