13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:30:01.33 ID:+EtVRVLso
向日葵「…………」さっさっ
櫻子「…………」しゅっ
向日葵「…………」
櫻子「…………」きゅっきゅ
向日葵「……あの、櫻子」
櫻子「なに」
向日葵「その……普通の日常会話くらいは、してくれてもいいと思いますわよ」
櫻子「ちょっ、だからそういう話は……!」
ぐらっ
櫻子「あっ!」
向日葵「きゃっ!?」
椅子の上でバランスを崩した櫻子が大きくよろける。私はとっさにもっていたモップを捨て、櫻子の身体を抱きついて支えた。間一髪で間に合った。
櫻子「ぁ…………」
向日葵「あ、危ないですわね……気を付けなさいよ」
櫻子「ごめん……っていうか、今のは向日葵が変な話するから……!」
向日葵「変な話なんかしてませんわ。そうやってなんでもかんでもそっちの方向に持って行こうとしないでほしい、って言ってるんですの」
櫻子「えっ……」
私は櫻子を抱きしめたまま、諭すように言った。
思えば、昨日から私の頭の中は櫻子のことだらけなのに、あれから櫻子とはほとんどまともに言葉を交わしていなかった。
自分から「予告」してきたくせに、櫻子は自分がやってしまったことが恥ずかしくてたまらないようだ。本当は「それ」を実行する勇気もまだ100%持てていたわけではなかったのだろう。だからこそこんな手法をとってきたのだと思われるが、いくらなんでも過剰反応しすぎだ。
私には「いつもどおり」を命じたくせに、櫻子は全然いつもどおりなんかじゃない。
こんなことじゃ、明日の6時に自分から約束を破って逃げ出してしまうのではないか。
向日葵「……周りの人たちからも、変に思われてますわよ。ケンカでもしてるのかって」
櫻子「わ、わかったから、離して……///」
向日葵「だめ。そうやって逃げないで」
櫻子「に、逃げてないよ!」
向日葵「逃げてるじゃないの。なんで私の話を聞いてくれないんですの?」
私の腕の中でもぞもぞともがきながら、どんどん紅潮していく櫻子。私はわざと離さないようにしながら、その耳元へ語りかけた。
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