3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:24:27.17 ID:+EtVRVLso
向日葵(なんなんですのよ……話したいことって……)
こんなことを言われたら嫌でも気になってしまうのに、何も聞いちゃいけないなんてずるい話がありますか。私は心の中で櫻子に文句を言った。
せめて話の概要だけでも教えなさいよ。いい話なのか、悪い話なのか、それだけでも教えなさいよ。直接聞くことくらい許しなさいよ。ヒントくらい寄越しなさいよ。
さっきまであったはずの眠気は、とうにどこかへ吹き飛んでいた。もう一度メッセージをよく読んで、最後の「おやすみ」をつっと撫でてアプリを閉じた。
「おやすみ」なんて書かれたメッセージをあの子からもらったのは初めてかもしれない。きっと櫻子はこれを送りつけてすぐ寝たのだろう。返信することは許されないが、約束を破って何かを送ったとしても、すぐに既読はつかない気がする。
画面をロックしようとして、その前に……とカレンダーのアプリを開いた。
明後日って、何の日?
私たち二人にとって、何か重要な日だったかしら。
確かめてみても、特に重要な日ではなさそうだった。強いて言うなら赤座さんの誕生日が近いくらい。でもそれとは関係ない気がする。
私はもぞもぞとベッドに戻って、櫻子が言う「話さなきゃいけないこと」に思いを馳せた。
赤座さんの誕生日パーティをサプライズで開くことになったとか、プレゼントを買うのに悩んでいるとか、そんなことかもしれない。
でもそんなこと……わざわざ明後日まで待たずに、今言えばいいだけのはず。
「話さなきゃいけない」って……そんなに思いつめたようなこと、あなたの胸の中にあるんですの?
一体なんなんですの? それ。
どれだけ気になっても、今回ばかりは何も聞いちゃだめだなんて。
当日まで何も考えないようにするのが一番だと思うけれど、寝ようと思って目を閉じると、逆に色々なことがぐるぐると思い浮かんでしまう。
このままじゃ私、不眠になっちゃいますわよ。
今夜眠れなくて、明日の朝はすごくだるい身体を引きずって、学校に行くの?
その最中も、あなたに何も聞いちゃだめなんですの?
私は明後日まで、一体どう過ごせばいいんですの?
櫻子の顔を思い浮かべて、考えついたことをたくさんぶつける。
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