10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:28:28.59 ID:+EtVRVLso
〜
朝から控えていた体育を終え、気持ちのいい汗をかき、教室の冷房も効いてきて過ごしやすくなってきたところで迎えた理科の時間。今日の授業内容は期末テストの返却と試験内容の復習だった。
今はほとんどの授業が同じように期末テストの返却と復習、そして来学期に向けての準備のような内容になっていた。周りにはきちんと復習に耳を傾けているものもいれば、西垣先生が大量に課した夏休みの宿題に早くも手をつけている生徒もいる。
今日が20日の木曜日。明日が21日の金曜日。土日を挟み、24日の月曜日に終業式。25日からいよいよ夏休みだ。ほとんどの授業は今日と明日で一学期の最後を迎える。
向日葵(あっ……)
そこまで考えて気がついた。
そうか、通常授業は明日で終了。明日の学校が終わったところから、私たちは実質夏休みに突入するのだ。
向日葵(もしかして……それでその日を選んだんですの?)
櫻子が指定した時間は夕方6時。学校が通常通りに終われば、私は普通に家にいる。生徒会活動も明日はない。
わざわざ決行の日をそこに持ってきた理由……
向日葵(夏休みを……晴れ晴れとした気持ちで過ごしたいから?)
櫻子の方をちらっと見てみた。どうやら向こうも私の方をずっと見ていたらしい。慌てて視線を戻して勉強しているフリをした。
向日葵(……たぶん、そうなんでしょうね)くすっ
きっと櫻子は、ここ最近ずっとそんなことを考えてくれていたのだろう。
一緒に登校しているときも、学校でみんなで談笑しているときも、生徒会で二人で作業しているときも、一緒に夏休みの宿題に手を付け始めたときも。
スマホの中には書きかけのLINEメッセージがあって、いつ送ろうか、いつ決行しようかと悩んでいたのではないか。ふと話しかけた時に上の空だったことが何回もあった気がする。期末テストの結果がボロボロで血の気が引いているだけかと思ってた。よくよく考えれば、あの子がそんなことを何日も引きずるわけがない。
昨日のメッセージが送られてきた夜中のことを思い出す。嫌な報告をされるのかと思って涙まで流した自分が無性に恥ずかしくなってきた。私はあの子のことになると心配性になるフシがある。
櫻子はどこにもいったりしない。神様は私を見捨てなかった。
39Res/66.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20