「藤原肇がそれを割る日」
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34:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 20:40:53.88 ID:pXJ6Ifkk0
「………………」

 成型を終えたものを、おじいちゃんが厳しい表情で目利きします。

 この時間が一番、苦手です。
以下略 AAS



35:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 20:42:47.49 ID:pXJ6Ifkk0
 おじいちゃんは、冒険心にも似た私の思いを感じ取ってくれました。

 厳しい言葉も、裏を返せば、精進さえすれば良いものになるという評価の現れです。

「はい」
以下略 AAS



36:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 20:46:35.23 ID:pXJ6Ifkk0
 その日から、私と夕美さんは、定期的にお互いの家を行き来するようになりました。

 私が夕美さんに生け花を教えてもらい、夕美さんは私の実家に同行してくれます。

 無理しなくて良いですよと言っても、夕美さんは鼻息を荒くして岡山まで来てくれるのです。
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 20:50:14.78 ID:pXJ6Ifkk0
 そして――。


「夕美、肇……すごかったぞ。お前ら、あんなライブパフォーマンスいつの間に覚えたんだ?」

以下略 AAS



38:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 20:52:42.07 ID:pXJ6Ifkk0
 目に見えて表現力を身につけている理由をはぐらかす私達に、Pさんは憤慨してみせます。

 でも、やっぱり目は笑っていました。

「グラビアの仕事も増やしていこうと思うんだけど、今の二人なら問題無いよな?」
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 21:02:30.23 ID:pXJ6Ifkk0
「クリスマスパーティー用にさ、キャンドルアレンジも作ろうよ」

 そう言って、夕美さんは自宅のパソコンの画面を私に向けました。

 なるほど、蝋燭の周りを花で囲むのですね。
以下略 AAS



40:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 21:04:30.59 ID:pXJ6Ifkk0
「でも、外に置いてある子達は、出る前に中に入れとかないと……もう入れちゃおうかな」
「手伝いますよ」
「結構重たいよ?」
「これでも力持ちなんです」

以下略 AAS



41:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 21:07:58.57 ID:pXJ6Ifkk0
 私の寮部屋は、夕美さんの家よりも狭いですし、テーブルも小さいですが、皆さんが座れないほどでもありません。

 それに、同じ寮住まいで同郷の瑛梨華ちゃんや、お世話になった志希さん、フレデリカさん等、参加予定の人達にとって集まりやすい場所でもあります。

「さっすが肇ちゃん!」
以下略 AAS



42:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 21:11:57.38 ID:pXJ6Ifkk0
「いつ捨てようかなって、ずーっと思ってはいるんだけどね」

 夕美さんは、そう言って苦笑してみせます。

「安物だったし、壊れちゃってるし、捨てちゃっても構わないんだけどさ。
以下略 AAS



43:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 21:15:23.06 ID:pXJ6Ifkk0
「では、どうしてあの日は、湯呑みを?」

「高かったから……っていうのはウソだけど」

 えへへ、と照れながら彼女は――。
以下略 AAS



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