13:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:30:19.19 ID:k4J2UGZx0
その頃。
警視庁捜査一課は俄かに慌ただしくなった。
湾岸署で『うんこハザード』が確認された。
その一報を受けて、凶悪犯罪を担当するエリート捜査員達の派遣が決定されたのだ。
14:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:34:19.98 ID:k4J2UGZx0
湾岸署に続々と捜査車両が到着する。
最初に現れたのは警視庁の鑑識課だ。
アタッシュケースに入れた様々な試験薬や道具を運び入れ、『うんこハザード』の具体的な原因を探っていく。鑑定のエキスパートだ。
15:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:37:52.57 ID:k4J2UGZx0
署内に入った室井は革靴を響かせて会議室を目指す。道中の有り様は酷いものだった。
そこら中に便が撒き散らされ、署員が呻く。
凄まじい臭気が鼻をつき、胃液がせり上がる。
しかし、そんな中でも黙々と作業を続ける鑑識課の者達の前で、みっともない姿は晒せない。
上に立つ者の矜持が、室井の理性を守った。
16:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:39:43.70 ID:k4J2UGZx0
青島「……仲間が漏らした」
ポツリと、泣きそうな声で青島が呟く。
思わず目を見張り、胸倉を掴む手を緩める。
青島が……泣いていた。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:42:18.87 ID:k4J2UGZx0
その後、捜査会議で事件について話し合った。
事件発生時刻は本日早朝。
まず当直の署員がやられた。
彼らは腹痛によってトイレに籠らざるを得なくなり、その後1時間近く個室を占拠した。
18:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:44:14.78 ID:k4J2UGZx0
すみれの悲痛な叫びに言い知れない不安を抱いた青島は、会議を中座して刑事課へと急いだ。
そこに、和久が倒れ伏していた。
青島「和久さん!?」
19:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:47:16.05 ID:k4J2UGZx0
青島「和久さん俺、もうどうしたらいいか……」
和久「泣き言を言うな。頭で考えるんじゃなく、足を使え。お前はまだ、歩けるだろ?」
途方に暮れる青島を、突き放すような口調。
20:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:49:35.37 ID:k4J2UGZx0
すみれ「いや!離して!私じゃないっ!!」
公安「黙れ。大人しくしろ」
青島「待ってください!!」
21:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:51:53.93 ID:k4J2UGZx0
青島「わかりました。なら俺が連行します」
すみれ「青島くんっ!?」
室井の苦悩を見透かした青島が、先手を打つ。
22:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:58:26.79 ID:k4J2UGZx0
青島「よし、それじゃ行きますか」
すみれ「嫌」
青島「まあまあ、そう言わずに」
23:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 22:00:04.42 ID:k4J2UGZx0
実はこの時点で、青島の痛は限界寸前だった。
そして、すみれも青い顔をしている。
恐らく彼女もそうなのだろう。
留置所に向かう前に、刑事課の備品の一つをさり気なく懐に忍ばせた。これで準備完了だ。
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