22:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:58:26.79 ID:k4J2UGZx0
青島「よし、それじゃ行きますか」
すみれ「嫌」
青島「まあまあ、そう言わずに」
すみれの留置所への移送を任された青島を彼女に自分で歩くように促した。
留置所は拘置所とは違い警察署内にある。
そんな短い距離を無理やり引っ張っていくのは、青島としても、そしてすみれとしても本意ではないだろうと、そう思ったのだ。
しかし、すみれは断固拒否の構えだ。
そんな彼女に肩を竦めて、言い聞かせる。
青島「俺はすみれさんを信じてる」
すみれ「じゃあ留置なんてしないで」
青島「それは出来ない」
すみれ「やっぱり信じてないじゃない」
室井との約束を違えることは出来ない。
キッパリとそう言う青島に、すみれは口を尖らせる。完全に拗ねてしまったご様子だ。
しかし、青島が室井との約束を重要視するのには、彼なりの推理に基づいた訳があった。
青島「実はこの署内で使用可能なトイレがあといくつかある。さて、それはどこでしょう?」
すみれ「何馬鹿なこと言ってんのよ。どこもかしこも満員で使用可能なトイレなんてある筈ないじゃないの。見ればわかるでしょ?」
青島「じゃあ読んでわかるヒントをひとつ。『真下』って苗字が読んで字の如くだとしたら?」
そう言うと、すみれはハッとして自分の足元を見つめる。彼女はとても勘の良い女性だ。
そう、読んで字の如く……まさに、真下。
湾岸署の留置所は地下にある。
そこには当然、トイレが設置されていた。
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