61: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/14(火) 10:47:10.56 ID:PdWpZk630
(しかし、猫になっちまうとはな………だとすりゃ、簡単に部屋からは出られねーか)
(かといって、ずっとここでおとなしくしているつもりもねーが……さて……)
この部屋の扉は内開き。しかも、ノブは押して引かなきゃ開かねぇタイプだ。今の姿じゃ、この部屋をひとりで出るというのは、やはりムリ筋だろうな。
62: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/14(火) 17:37:16.69 ID:PdWpZk630
獄原 「ほ、星君! 大丈夫?! あ、あれ?」
王馬 「あー? なんだよゴン太ぁ。星ちゃんいないじゃーん」
(獄原と王馬?!)
63: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/14(火) 17:37:56.08 ID:PdWpZk630
『あんたに飛び込む気はねぇが、飯の用意は助かるぜ』
俺が言葉を発した瞬間、獄原の顔が明るくなった。
獄原 「わあっ! ペットは飼い主に似るっていうけど、声と喋り方まで似てるんだぁ!! スゴイよ!!」
64: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/14(火) 23:03:58.54 ID:PdWpZk630
王馬 「なー、おまえ本当に星ちゃんなの? 元々マスコットっぽい見た目だったのに、また随分と可愛くなっちゃったよねー!」
「……」
俺の伸びた胴をぶらぶらと揺らして遊びながら、楽しそうにニヤニヤしてやがる。クールじゃねぇが、相手がこいつとあってか、可愛いと言われてちょいと頭にきた。
65: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/15(水) 18:24:44.70 ID:rQ/7d1wt0
王馬 「うわぁ…マジで猫缶食べてるー」
66: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/15(水) 18:25:56.12 ID:rQ/7d1wt0
獄原 「してないって」
王馬 「ふーん。だったら、他に思いあたることないの?」
猫……猫といえば、飼っていたあいつくらいしか……まさか……あいつの身になにかあったか?
67: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/15(水) 22:12:26.67 ID:rQ/7d1wt0
王馬 「星ちゃん、ゴン太泣かしたんだー。健気に星ちゃんのことを考えてるゴン太を泣かせるなんて、どうしてそんなヒドいことするのさ!」
『お前は少し黙ってろ』
俺の言葉自体は通じないが、鳴いて睨めば俺がなにを言っているかの想像はつくはずだ。とくにコイツだからな。解らないはずがない。
68: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/15(水) 22:13:10.10 ID:rQ/7d1wt0
王馬 「ねぇ、キミらが何話してんのか、俺さっぱりなんだけどー? 仲間ハズレやめてくんなーい?」
獄原の通訳がなければ、ただの猫の鳴き声にしか聞こえていない王馬は、自分が理解できないうちから話を進めている俺達の様子に、不満気に唇を尖らせていた。
獄原 「星君…しばらくこのままでいたいって……」
69: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/15(水) 22:19:16.45 ID:rQ/7d1wt0
王馬 「とにかく、星ちゃんがどうしたいかなんだよね。ガチで野生の猫になりたいなら、これまでの星ちゃんとの思い出も泣く泣く忘れて“目の前の迷い猫”を今すぐにでも引っ掴んで追い出さないといけないからさ」
獄原 「そ、そんな…」
獄原の顔が青褪め、俺を見る。
70: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/16(木) 12:25:39.45 ID:Yn/S07zg0
獄原 「ま、待ってよ! 王馬君!! もう少し話し合おうよ!」
王馬 「もう充分話したと思うけど? まだゴネる気?」
立ち塞がる獄原に、王馬は眉を顰めて見上げ、溜息を吐く。話し合いたい獄原と、さっさと行動に移したい王馬との対立。対立の原因である俺としては、獄原が大人しく退いてくれる方が助かるんだが。いや、待てよ ────
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