858: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:18:04.95 ID:SzhTzFDuO
『一名死亡』
耳のイヤホンから黒服の報告が聞こえる。永井は十二階と十三階のあいだの踊り場いて、階段に転がっている警官の死体を眺めていた。階段を駆け上ってきたためか呼吸は荒く、頭の横にあげた両手が呼吸に従って上下している。
859: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:19:52.06 ID:SzhTzFDuO
両腕をだらんと床におろし、田中がうなだれている。踊り場のIBMも田中と同様に床に尻をついて、突然いなくなった飼い主を探す忠犬のように虚空に顔を上げじっとしていた。
下村は麻酔銃を捨て、右脇のホルスターからH&K USPを引き抜いた。右手で拳銃を持つのは痛みのせいもあり、かなり苦労した。
860: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:20:55.69 ID:SzhTzFDuO
下村は即座に自身のIBMに命令した。
三角頭のIBMが踊り場に向かって降りかかってくる。頭部めがけて突き出された拳は、田中のIBMが頭を右に振ったことによって壁を強く打つだけにおわった。続けざまに左の拳が繰り出される。壁に張り付いて下村の動きを封じていた田中のIBMは、唯一可能な反撃に打って出る。思いっきり頭を仰け反らせる。田中のIBMの後頭部が三角形をした下村のIBMの頂点に触れたかと思うと、二つの頭部の境界線が混じり合い、黒い塊が溶け合った。
861: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:22:00.13 ID:SzhTzFDuO
「お巡りさん、放置でいいのか!?」
田中はしばし考え、思いついた言い訳を口にした。
862: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:22:49.00 ID:SzhTzFDuO
黒い星十字が打ち上げられたロケットのようにフォージ安全ビルを昇っていく。アナスタシアのIBMは手摺を足がかりにして跳躍し、人ひとりぶんしかない手摺と手摺のあいだをすり抜けた。真上に跳躍すると伸ばした手を上の手摺にかけ、身体を持ち上げる。この動作を二回繰り返すと、一階分上ることができる。
はじめは階段を利用していた。だが、階段には想像以上に社員の数が多く、焦る気持ちもあわさってIBMを思うように移動させることができなかった。十一階に辿り着いたとき、IBMが降りてきた女性社員とぶつかりそうになった。IBMと人間が激突すれば、後者が重傷を負うことは目に見えている。アナスタシアは咄嗟にIBMをジャンプさせた。偶然にも手摺の上にのったIBMはそのまま真上に跳びが上がり、踏み込みひとつで上の踊り場まで到達できた。
863: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:24:08.55 ID:SzhTzFDuO
プール室のドアの前で平沢たちは一旦足を止めた。
864: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:24:53.05 ID:SzhTzFDuO
真鍋「麻酔ダートが腕に命中……目標を眠らせた」
真鍋の報告は結果に対する疑問が滲んでいた。
865: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:26:07.41 ID:SzhTzFDuO
佐藤「バレちゃった?」
866: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:27:33.43 ID:SzhTzFDuO
永井「……考えろ。まだ何かあるんじゃ……」
平沢たちは眠っている佐藤が失血死しないよう止血処置を施している。
867: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:29:02.76 ID:SzhTzFDuO
永井「アナスタシア、おまえのIBMはいまどこだ?」
『十五階に着きました』
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