860: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:20:55.69 ID:SzhTzFDuO
下村は即座に自身のIBMに命令した。
三角頭のIBMが踊り場に向かって降りかかってくる。頭部めがけて突き出された拳は、田中のIBMが頭を右に振ったことによって壁を強く打つだけにおわった。続けざまに左の拳が繰り出される。壁に張り付いて下村の動きを封じていた田中のIBMは、唯一可能な反撃に打って出る。思いっきり頭を仰け反らせる。田中のIBMの後頭部が三角形をした下村のIBMの頂点に触れたかと思うと、二つの頭部の境界線が混じり合い、黒い塊が溶け合った。
(おそ……いよ…)
(すげーじゃねーか)
精神が混線し、互いの記憶を体験する。田中の意識が混線から回復したのは、二体のIBMと下村の身体の床に倒れた音が続けざまに耳に届いたときだった。
下村は左手の傷口を床に押し付け、上体を起こした。右手ですぐに拳銃を掴むため、そうする必要があった。激痛に襲われながら、下村は拳銃に手を伸ばす。
田中は下村の指が拳銃のグリップに触れたのを見て、ようやく麻酔銃を撃った。
麻酔ダートが首の付け根に刺さり、下村から意識を奪う。田中は手錠で下村の無事な方の手首を手摺のポールにつないだ。その様子を社員たちが覗き込んでいる。手にスマートフォンを持っていたが田中は気に留めず、麻酔銃にダートを込めながら階段を上った。
「え!?」
「なんだ!?」
「嘘だろ!?」
振り返ると、下村が復活していた。
何かする前に田中は下村を撃った。
何事もなかったように階段を上ろうとする田中を、フォージ安全の社員が慌てて呼び止める。
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