新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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525: ◆X5vKxFyzyo[saga]
2017/12/22(金) 23:46:30.86 ID:OBzab0O/O

永井「グラント製薬の本社ビルに旅客機で突っ込んだんだ。その後の対応にあたったSAT五十名も、佐藤に殺された。亜人はいまやテロリストと同義語だ。助かりたかったら……」

中野「あっ!」

以下略 AAS



526: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:48:28.57 ID:OBzab0O/O

 アナスタシアはその言葉にハッとして、永井の方を見た。血がこびりついたシャツに、大きな穴が開いている。血に染まったシャツには見覚えがあった。つい最近、アナスタシアはおびただしい数のそれを見たのだった。記憶はまだ生々しく、永井が亜人だとわかっていても、その赤い円形が胸元にあることに痛ましさを感じた。

 血の跡はバッグのストラップに隠れて見えなくなった。ストラップを肩にかけたとき、永井の視線がアナスタシアとかち合った。永井の視線は相変わらず温度が感じられず、感情の見えない眼でアナスタシアを見下ろしていた。

以下略 AAS



527: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:51:07.46 ID:OBzab0O/O

堀口「何だったんだ、今のは……」


 堀口は杖をつき、よろめきながら立ち上がった。自分の身体を見下ろし、怪我がないことを確かめると、次は周囲を見渡した。捜索隊の面々は先ほどまでの堀口と同様に腰を抜かし、そのほとんどが自失状態から脱け出せてない。
以下略 AAS



528: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:52:16.38 ID:OBzab0O/O

 事態の重さに堀口は屈みこむ途中のような姿勢で動揺していた。パキッという小枝を踏む音に堀口は顔をあげた。

 いきり立つように荒く呼吸を繰り返している北が猟銃の引き金に指をかけたまま、あたりを警戒していた。わずかな物音があれば、北はあまりある勢いで音がした方向を向いたので、まるで猟銃を振り回しているかのようだった。

以下略 AAS



529: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:54:21.84 ID:OBzab0O/O

中野「こんな堂々と動いて見つからねーか?」


 小高い傾斜を登る永井の背中を見ながら中野が尋ねた。地面から露出した木の根を跨ぎ、幹に手をついてバランスをとりながら坂を上っていく。
以下略 AAS



530: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:55:41.89 ID:OBzab0O/O

中野「は!? ケータイ!?」

永井「おばあちゃんに買ってもらった」

以下略 AAS



531: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:57:13.82 ID:OBzab0O/O

 使われなくなって何年も経つその小屋は、物置きと化していて、同じように使われなくなった廃材やポリタンクや段ボール、諸々の粗大ごみが壁際に無造作に置かれていた。

 そこは居場所がなくなり、放置され、忘れ去られた物が棄てられた、忘れ去られた場所だった。

以下略 AAS



532: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:59:35.42 ID:OBzab0O/O

北「おれは年金も蓄えもあの会社の株に突っ込んでたんだぞ! おれの人生は!? 老後の計画は!? どうしてくれるんだ!?」
 
山中「小さい男だね! ただの逆恨みじゃないか!」

以下略 AAS



533: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/23(土) 00:03:18.51 ID:FyC54XJBO

中野「おせえよ。何してたんだ?」


 ようやく森から出てきた永井に中野が言った。
以下略 AAS



534: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/23(土) 00:06:34.52 ID:FyC54XJBO

中野「アーニャちゃん、アイドルだって。知ってた?」


 作業を続ける永井に中野が訊いた。つい最近知った凄い知識を友達に披露するときのような口振りだった、永井はナイフを止めることなく答えた。
以下略 AAS



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