478: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:49:35.17 ID:rkcK97lyO
観測手02「01がやられた。何だあれは?」
狙撃手02「IBM……? あれがIBMだ! 準備しろ!」
479: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:51:16.93 ID:rkcK97lyO
発炎筒を掲げる観測手の後方のドアがばんと大きな音をたてながら勢いによく開いた。
部屋に侵入してきた田中が同時に両手でしっかりと拳銃を持ち、二度引き金を引く。ドアが開いた音に振り返っていた観測手は左側頭部に銃弾を受けた。いまも床に磔にされている狙撃手は、頭頂から入った銃弾が顎から斜めに抜けていった。二人とも即死だった。
480: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:53:00.43 ID:rkcK97lyO
ゲン「早く起きろよ!援護しねーと持ってかれちまうぞ!」
高橋「待てゲン!」
481: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:54:34.08 ID:rkcK97lyO
観測手03「01・02ダウン。これでは連続して殺せない。避難しましょう」
南側のビルの屋上にいる観測手が腰を浮かせながら、パートナーである狙撃手に向かって言った。
482: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:56:08.65 ID:rkcK97lyO
ゲン「もう一度復活の隙を作ってやるんた」
高橋「手前の奴を転ばす……」
483: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:57:47.02 ID:rkcK97lyO
離れたビルの屋上まで響く長い銃撃音を耳にしたゲンが思わず叫ぶ。もうもうと立ち込める煙に遮られ、佐藤がどうなったかはゲンのところからは見えない。
SATの射手は、硝煙によって標的の視認が困難になる寸前で射撃を中断した。煙が風に運ばれ、ふたたび銃弾を見舞おうと短機関銃の銃口を向けたそのとき、射手は異変に気づいた。
484: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:59:25.41 ID:rkcK97lyO
SATが動揺から回復する前に佐藤は目の前にいる隊員の脚を吹き飛ばした。銃撃からすこしの間もなく佐藤は前に飛び出し、蹴りあげられたように身体を一回転させる隊員の下に潜り込み、その身体を背負った。
SAT隊員「撃つな!」
485: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:02:14.58 ID:rkcK97lyO
ゲン「マジかよ……」
集団の中心から隊員を確実に殺している佐藤を双眼鏡越しに見ていたゲンが、眼を見開いたままぼそりとつぶやいた。
486: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:04:16.76 ID:rkcK97lyO
地上では、佐藤が短機関銃のストラップを首に巻き付けて動きを拘束した隊員を盾にして、銃弾の装填を行っていた。首に食い込むストラップのせいで、見開いた両眼が血走っている。
SAT隊長「散れ! 散れ!」
487: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:05:49.46 ID:rkcK97lyO
佐藤は隊員をふたたび後ろに引き倒すと、掴んだ手首を首まで持ってきて、さらけ出された喉にナイフを深く突き刺した。佐藤はナイフを喉の外側から真ん中に走らせると刃を引き抜き、今度は反対方向から同じようにナイフを素早く動かし喉を掻き切った。
隊員の左右の頸動脈が真っ二つに切断され、噴水のように吹き出した血が雨に混じって隊員たちに降り注ぐ。佐藤は隊員を前に押し出し、いまにも散らばろうと身を翻しつつある部隊の中心に血塗れの仲間を投げつけた。
488: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:07:49.25 ID:rkcK97lyO
一方的な展開だったが、それでも生き残っている隊員は、冷静さをギリギリで保ち、死体を盾にする佐藤に向けて引き金を引いた。死体を貫通した銃弾が佐藤の頬を切り裂いた。
佐藤は死体を持ち上げると、射手のいる方向に向かって投げつけ、仰向けになって転がっている死体の胸部を撃った。タクティカルベストに装備されたスモークが吹っ飛び、あたりが白い煙幕に包まれる。
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