新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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483: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:57:47.02 ID:rkcK97lyO

 離れたビルの屋上まで響く長い銃撃音を耳にしたゲンが思わず叫ぶ。もうもうと立ち込める煙に遮られ、佐藤がどうなったかはゲンのところからは見えない。

 SATの射手は、硝煙によって標的の視認が困難になる寸前で射撃を中断した。煙が風に運ばれ、ふたたび銃弾を見舞おうと短機関銃の銃口を向けたそのとき、射手は異変に気づいた。


SAT隊員「弾……が……?」

佐藤「ん?」


 先端がひしゃげた銃弾が佐藤の顔面の数センチ上で浮いていた。銃弾は宙に静止したまま、孔を穿つはずの箇所にちいさな丸い影を佐藤の顔面に投影している。

 銃弾を受け止めていたのは、佐藤のIBMだった。放水によって動くことのできないIBMだったが、特殊な分子結合によって形成された肉体は、至近距離からの銃撃すら問題としないほど強固だった。

 SATの地上部隊の目に、透明だったIBMの肉体が徐々に黒みを帯びて見えはじめる。佐藤は、SATがIBMに目を奪われている僅かな隙にランヤードに繋がれたショットガンを持ち上げ、射手の顎の下に散弾を食らわせた。


ゲン「すげえ!」


 顎を撃たれた射手の身体が、まるでワイヤーで引っ張られたかのように浮き上がる。射手が地面に落下するまでのあいだに、佐藤は上体を起こし、背中に預けたIBMを盾にして次弾を薬室に送り込む。SATからの銃撃はすべてIBMが防いでいる。


ゲン「あははっ!」

高橋「行け! 佐藤ォ!!」

佐藤「うるさいよ」



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