新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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488: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:07:49.25 ID:rkcK97lyO

 一方的な展開だったが、それでも生き残っている隊員は、冷静さをギリギリで保ち、死体を盾にする佐藤に向けて引き金を引いた。死体を貫通した銃弾が佐藤の頬を切り裂いた。

 佐藤は死体を持ち上げると、射手のいる方向に向かって投げつけ、仰向けになって転がっている死体の胸部を撃った。タクティカルベストに装備されたスモークが吹っ飛び、あたりが白い煙幕に包まれる。

 視界がホワイトアウトするなか、隊長はショットガンの発砲音が続けざまに鳴り響くのを耳にした。発砲音の数は、生き残っている隊員の数と同じだった。

 隊長は大きなコンクリート片を背に短機関銃の銃床を肩にあて、佐藤を待ち構えた。煙の中から飛んでくるものがあり、その動きに沿うように身体が反応する。それが地面に落ちる前に瓦礫であることに気づいた隊長は、身体をもとの位置に戻そうとするが、一瞬はやく佐藤が隊長に接近し、引き金に指をかけている方の腕を吹き飛ばした。

 撃たれた右腕は、肘のところでかろうじて繋がっていた。佐藤は苦痛を叫ぶ隊長の喉元に銃口を突きつけ、背後にある瓦礫に隊長を押しつけた。その円形の感触は、永遠にも等しい時間を隊長に体感させた。佐藤は引き金を引いた。



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