489: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:10:04.59 ID:rkcK97lyO
佐藤「あ」
ショットガンから弾は発射されなかった。佐藤は最後の一本になったスピードローダーに手をかける。一方、SATの最後の生き残りは、レッグホルスターから拳銃を引き抜き、銃口を腹にあて弾切れになるまで撃ち続けた。佐藤の身体にいくつも孔が開き、スピードローダーを持つ手がだらりと垂れ下がった。
隊長は呼吸する間も惜しんで、佐藤が復活するまえにその場から離れようとする。身体を動かすと、拳銃を撃ったときには感じなかった激痛が彼を襲った。
崩れ落ちる佐藤の身体の脇を抜け、隊長は前に進もうとする。痛みをこらえ、息を吸おうとする。そのとき、喉にまたあの感触を感じる。
佐藤「は、は、はーー」
佐藤は復活していた。喉にあてたショットガンにスピードローダーを使って装填できる弾数をすべて装填し、フォアエンドを動かし薬室にショットシェルを送り込む。
引き金が引かれるまでのあいだに、隊長はふたたび引き延ばされた時間を体感する。隊長が最期に見たものは、佐藤の“表情”だった。それは、いままで佐藤が見せてきた、どんな表情とも違っていた……。
佐藤はトリガーを引きっぱなしにしたまま、全弾撃ち尽くすまでフォアエンドを前後させた。
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