新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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490: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:12:38.78 ID:rkcK97lyO

 戦闘に決着がつき、グラント製薬があった場所に静寂が戻った。

 佐藤は煙が流れるヘルメットからショットガンを引き抜いた。支えを失った死体が膝から真っ直ぐ下に落ちる。死体は背をまるめながら前方に倒れると、ケブラー製のヘルメットが地面を転がった。十二ゲージの散弾を内側から食らったヘルメットは、頭頂にあたる部分が大きく破れていて赤かった。ヘルメットと死体の首は、赤色の線で繋がっていて、それはどことなく臍帯を連想させたが、実態はまるで違っていた。その線は地面に染み付いていた。

 佐藤がヘルメットの行き先を眼で追おうと下を向くと、靴が片方脱げ、片足が裸足になっていることに気がついた。佐藤はあたりを見回して靴が落ちてないか探してみたが見つからず、しかたなしに裸足のままその場をあとにした。

 戦闘によって舞い上がった粉塵の中から道路に出ていくと、いちばんはじめに周辺の警備にあたっていた警官と目があった。彼らはひとり残らず震え上がっていた。それは、佐藤が左手にぶら下げている、さっきまで轟音を響かせていたショットガンのせいばかりではなかった。

 警官たちの手は拳銃にのびかけたところで止まっていた。粉塵が落ち着きだし、SATの死体の群れが眼にはいる。警官たちの眼前を佐藤が横切った。警官のひとりが後退りし、パトカーにぶつかった。佐藤は彼らと眼を合わせ、彼らにむけてこう言った。


佐藤「いやー、疲れたね!」


 その一言で、警官たちは、佐藤を眼で追うことすらやめた。



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