新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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109: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:12:53.86 ID:NJ9NkxEDO

武内P「現在美城プロダクションでは、事態への対応に部署の内外を問わずにあたっている状況ですが、混乱を収める目処は立っていません。私や千川さんや部長のように個人的感情を伴って行動する者も、そうでない者も終わりの見えない作業に疲労しています。しかし、それは組織に属する者の義務であり、新田さんの力になることが私たちの責任であるのです。
今回のこの事態に対して、皆さんにはいかなる責任も義務もありません。皆さんはまだ未成年で、亜人が世界で初めて発見された十七年前といえば、皆さんはまだ生まれていなかった方がほとんどでしょう。なのに、このようなことに直面せざるをえなくなった。その不安や不条理に戸惑ったままでいるのは大変なことです。私たちもそうなのですから。
私は皆さんに、自分の心を見つめ直してくださいとしか言えません。私たちはあなたたち一人ひとりのあらゆる決断を全力で支持します。あなたたちがしたいと思っていることの中には、現状では困難なこともあるかもしれません。もしそのときは私や千川さんや部長、あるいは他の信頼できる方でも構いません、話してみてください。もしよければ困難なことは、私たちにまるごと託してくれてもかまいません。私はこの混乱の中にあなたたちまでが孤立し、飲み込まれたままなのはつらいのです」

以下略 AAS



110: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:14:21.17 ID:NJ9NkxEDO

智絵里「わ、わたしも……!」


緒方智絵里がおずおずと、しかし他の誰よりもはやく杏に続いた。それがきっかけとなって次々に同意が波のように広がった。李衣菜は躊躇っていた。声や手があがる部屋のなかで、半分開いた手が宙吊りになったみたいに身体の前にあった。
以下略 AAS



111: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:17:47.24 ID:NJ9NkxEDO

アナスタシアがプロデューサーと話したのは一同が解散した後のことで、彼のデスクがある個室でプロデューサーが面談の時間を設けようとする前にアナスタシアの方から部屋にやってきた


アナスタシア「プロデューサー、捕まった亜人は……ミナミはもう弟と会えないのですか?」
以下略 AAS



112: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:21:18.27 ID:NJ9NkxEDO

ーー榎総合病院


慧理子はいらいらしていた。
以下略 AAS



113: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:22:35.50 ID:NJ9NkxEDO

下村「それは、あなたが永井圭の妹だからです。慧理子さん」


誰に向けられたわけでもない慧理子のつぶやきを下村は聞き取っていた。聴取の理由をはっきりと突きつけられた慧理子はばつが悪そうに押し黙った。美波は唇を結ぶ慧理子にすこし顔を寄せて語りかけた。
以下略 AAS



114: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:23:57.49 ID:NJ9NkxEDO

会見が終わり、下村とともに車で病院へ向かっているあいだ、美波のスマートフォンに義母からの着信がはいった。美波は画面の表示を見ると、すぐに通話ボタンをタッチしスマートフォンを耳にあてた。


律『会見見たわよ。なかなか様になってたわね』
以下略 AAS



115: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:25:27.77 ID:NJ9NkxEDO

律『そもそも私が政府が信用ならないと考える理由も、証拠というほど確固したものではないから。あなたは亜人管理委員会の言いなりなったわけじゃなくて、自分で考えて行動したんでしょう?』


美波はすこし迷ってから「うん」、と答えた。
以下略 AAS



116: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:28:56.65 ID:NJ9NkxEDO

赤信号になり、車は信号待ちに入った。反対車線では病院前のバス停からバスが出発するところだった。


律『慧理子のこと、頼むわね。今日はそっちに行けそうにないから』
以下略 AAS



117: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:29:56.35 ID:NJ9NkxEDO

慧理子は眼を下村から自分の手に戻した。さっきの感情の昂りの潮がまだ引ききっていないのか、慧理子の手の甲はうすいピンク色をしていた。その手の上をなにかが通り過ぎる感触がして、慧理子は窓の方を見た。レースカーテンが風に持ち上げられ、ふわふわ揺れていた。いちどカーテンは元の位置まで戻ったが、ふたたび風で浮き上がった。窓からの差し込んでくる光量が増え、壁やシーツの白さがより目立つようになった。慧理子の手がまたなでられた。やさしさを示すような感触で、シーツを握る指がすこしゆるむ。 今度は慧理子は両眼で下村を見た。


慧理子「……ほんとにどーでもいいよーな、話ならあるけど……それをいったら帰ってくれる?」
以下略 AAS



118: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:31:47.21 ID:NJ9NkxEDO

それは両親が離婚し、圭と慧理子が美波とはなればなれになって暮らすようになった直後の思い出だった。寂しさをまぎらわすため飼い始めた飼い犬が動かなくなり、そしてすぐに死んでしまった。横たわる子犬を前に泣きじゃくる慧理子に圭はお墓をつくってあげようと言った。シャベルと飼い犬の亡骸が入ったダンボールを抱え、二人は河沿いの土手道を歩いた。夕暮れどきで、自転車をこいで下校する学生たちと何人もすれ違った。しばらくすると野球グラウンドが見えてきた。圭よりすこし年上の小学校高学年か中学生くらいの少年たちが草野球にもなってない気楽なプレーを楽しんでいる。

二人は野球グラウンドがある反対側の河岸まで降りて、川面が反射する光が眼に届くところまでやって来た。そこは雑草もあまり生えていない乾燥した地面があるところだった。圭がシャベルを地面に刺した。ざくざくという土を掘り返す音に混じって、野球少年たちの笑い声があたりに響いた。

以下略 AAS



119: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:33:22.12 ID:NJ9NkxEDO

永井「慧理、にげて……」


兄の声につられ、慧理子も涙をぬぐうのを一旦やめ、振り返った。
以下略 AAS



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