映画の脚本を書いて、ひとりの女の子と出会った話。
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39:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 21:48:24.23 ID:e+s7r/2n0
大学の文化祭は、毎年11月の初めに行われる。
学祭の開催中は、学内の同好会にも自由展示として空き教室の使用許可が出る。
ただし、俺たちは端っこの余り物しか用意されていなかった。
40:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 22:16:21.29 ID:e+s7r/2n0
「今月は仕送りを止められてしまったので」
「何かあったのか?」
41:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:44:45.73 ID:e+s7r/2n0
ビラ配りは朝方から正門のあたりで始めた。
俺は淡々と無心で紙を配っていたが、
ヒツジは客に声をかけるために辺りをあちこち駆け回っていた。
42:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:45:20.49 ID:e+s7r/2n0
「あの、もしかしてヒツジさんですか?」
適当に入ったクレープ屋で
赤いキャップを被る女の子に声をかけられ、
43:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:46:02.17 ID:e+s7r/2n0
「……すみません、ああいう時どうすればいいか分からなくて」
休憩所に設けられた椅子に座ると、
彼女はそんなことを呟いて隣で項垂れていた。
44:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:48:13.07 ID:e+s7r/2n0
「映画の評判は割と良いみたいだな」
ちらほらと飛び込んでくる感想は賞賛のものが殆どだった。
「そうみたいですね」
45:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:49:37.99 ID:e+s7r/2n0
「もう脚本は書かないんですか?」
「さあ、どうだろう」
正直なところ、もう書く気はなかったけれど
46:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:50:05.82 ID:e+s7r/2n0
俺は彼女の横顔に何かを言いかけたが、
そのままその言葉を飲み込んだ。
彼女になんて言えばいいのか
47:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:52:13.02 ID:e+s7r/2n0
「……実を言うと、はじめは出るつもりはなかったんです」
「え?」俺は思わず彼女の方を見た。
48:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:53:35.64 ID:e+s7r/2n0
「……すこしは変われたか?」と俺は尋ねた
「そうですね、ほんのすこしだけ」
ヒツジはそう言って爽やかに笑った
49:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 23:54:24.43 ID:e+s7r/2n0
――そうして、文化祭は終わりを迎えた。
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