6:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 06:28:32.57 ID:J/mDQ71j0
運動会が終わってクラス委員でクラスの写真選びの希望を仕分けてるとき、西村さんに私と高田くんとのツーショットを見せてみた。
これで西村さんの高田くんへの好感度を測れると私は思っていたからだ。
でも西村さんはこれをスルー。
というか西村さんが天然なのか、「かっこいい」と言ってきた。
その言葉に、私は困惑しながらも少しホッとした。
7:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 06:32:55.87 ID:J/mDQ71j0
ところが、とある日の朝にこんなウワサが流れる。
「笠原って西村といつも一緒にいるけど、もしかして西村のこと好きなんじゃねーの?」
クラスメイトがざわついたので、面倒事になる前に私はすぐさま否定した。
「違うわよ!べ、別にクラス委員で一緒にいるだけで、全然仲良くないから!!」
その発言の後、西村さんが高田くんと登校してきた。
8:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 06:37:37.29 ID:J/mDQ71j0
「ごめんね高田くん。今日はクラス委員で遅くなるから……」
「うん、わかった!僕も今日は習い事だから………またね!」
「うん、また明日。」
前の私だったら羨ましい会話だったけど、今は西村さんのことも好きだからあまり気にはならなかった。
いや、別に高田くんを諦めたわけじゃないけど!
9:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 06:42:40.85 ID:J/mDQ71j0
「笠原さんはどうなの?私にす、好きって言われたら……うれしい?」
思わぬ切り返しでびっくりしたけど平静を装って答えた。
「べ、別に!……でもまあ西村さんの言う通り、好きって思われるのは悪くないわね。ていうかそんなこと訊くなんて、あんた私のこと好きなの?」
自分から切り出した話題だけど、気になって訊いてみる。
「うん、好きだよ。笠原さんは友だちだからね!」フンス!
10:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 06:47:16.28 ID:J/mDQ71j0
その後、クラス委員の作業をすぐに終わらせて私たちは職員室へ向かった。
「お疲れ様二人とも。それじゃあ帰りに気をつけろよ。」
「はい。」
「はーい。」
職員室を後にして私は西村さんと下校する。
11:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 06:51:49.62 ID:J/mDQ71j0
別に照れてただけだけど、西村さんの口から褒め言葉が聞きたくて悪ノリした。
「た、例えば?」
「え?………えっとね、いつもかっこいいところ!あっ、でも可愛いところもあるよ。猫が好きなところとか。」
「か、可愛いのは置いといて……かっこいいってどの辺が?」ドキドキ
「着こなしとか…?あと、私の提案に乗ってくれたこととかかな?あのときは嬉しかったなぁ。今更だけど本当にありがとう、笠原さん。」ニコッ
12:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 07:01:17.51 ID:J/mDQ71j0
そんな感じで私が呑気にスリスリしてると、西村さんは突然私の頭をがっちりと頭を掴んできた。
「何?どうかした?」
「す、スキンシップだから、いいよね?………チュッ」
────そして西村さんは、私のほっぺにキスをした。
「な、ななな…………///」
13:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 07:08:27.90 ID:J/mDQ71j0
その後、私は家に帰ってご飯を食べた後、お風呂に入るまでの時間で部屋で悶々としていた。
「………はぁ、好きって言っちゃった。それも好きって自覚した日に………///」カァァ
「でも西村さんだしいいか。友だちとしての好きとしか思ってなさそうだし……。」
足をバタバタして考える。もし明日西村さんの様子がおかしかったら、と。
(それなら嬉しいけど、朝のウワサがまた流れたら嫌だな……。西村さんは鈍感だから、意味もわからずにすぐ肯定しそうだし………。)バタバタ
14:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 07:17:45.98 ID:J/mDQ71j0
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
私は走っていた。森の中を、ただひたすらに。遠くには西村さんがこっちを向いて笑いながら手を振って走っている。
私は西村さんの笑顔に照れながらも、疾風(はやて)の笠原の威厳を保つべく、西村さんの方へ全速力で走った。
するといつのまにか森を抜け、一面の花畑が広がっていて、そこには西村さんが座っていた。
夢なのでさっき走っていたのを意に介さず、私も西村さんの方へ走って、一緒に花飾りを作ったりして遊んでいた。
15:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 07:24:53.94 ID:J/mDQ71j0
「お、おはよう。西村さん。」
「さっきはごめんね、手を振ったりして……。恥ずかしかったよね………?」
「そ、そんなことはないけど、……昨日あんなことがあったのによく平然としていられるわね、あんた。」
「昨日?あぁ、スキンシップのこと?うん!私、笠原さんと仲良くできてうれしいからね!」
西村さんはまた高田くんに似てきていた。
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