笠原「西村さんも好きになった」
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7:1 ◆wo2YGzppho[sage]
2023/06/05(月) 06:32:55.87 ID:J/mDQ71j0
ところが、とある日の朝にこんなウワサが流れる。
「笠原って西村といつも一緒にいるけど、もしかして西村のこと好きなんじゃねーの?」
クラスメイトがざわついたので、面倒事になる前に私はすぐさま否定した。
「違うわよ!べ、別にクラス委員で一緒にいるだけで、全然仲良くないから!!」
その発言の後、西村さんが高田くんと登校してきた。
「? どうしたの?」
西村さんに視線が集まる……。それと同時に私にも。……でも、私は別のことを考えていた。
(幸い今の発言は聞かれてなかったようね……。)
そんなふうに、私は安堵していた。………っていうか、西村さんに私が好きだなんてホラ話を植えつけたくないだけだし……!
私は自分に言い訳した。誰も聞いちゃないのに。
「どうしたの、みんな?なんかあったみたいだけど。それに少し騒がしかったし……。」
高田くんが聞いてきた。私が返答する前にさっき発言したヤツが追い打ちをかけてきた。
「それが笠原のやつが西村のこと好きなんじゃないかって話をしててよー!」
私はすごく不快な気分になった。焦り、不安、動揺、怒り……そして何よりも西村さんが傷つくのはイヤだった。
……って、なんで私が西村さんを気にかけるのよ!?………ま、まぁ一応友だちだしね。
再び自分に言い訳しているうちに高田くんはそいつに返答した。
「へぇ〜、笠原さんも西村さんの魅力に気づいたんだ!まあなんたって死神だからね!僕以外にも好きな人ができるのは仕方ないかも!」
さっき発言したヤツは高田くんの相変わらずのポジティブさに圧倒されてたけど、西村さんは高田くんの発言に照れていた。
このとき私は思った。
(まったく、私の好意と高田くんの発言、どっちに照れてるのよ!……ま、まぁ私の方だったら嬉しいけど………。)
ここでハッとした。
(あれ?私って西村さんのこと好きなのかな……?)
そう思ったのも束の間、高田くんはこの話題を西村さんに振った。
「よかったね西村さん!笠原さんも君に夢中になったみたいだよ!」
その後、西村さんはこう発言した。
「あ、あの…………高田くんも笠原さんも、私のことが好きだなんて幻想だよ。……………私なんて、何の魅力もないし……」
私はすごくムカついた。それは、他でもない西村さんに対して。
「私はそんなことないと思うわ!」
「僕はそんなことないと思うよ!」
私は高田くんとハモった。ちょっと驚いたけど私は話をつづけた。
「西村さんは器量がいいし、ファッションセンスも悪くないし……」
私の発言に高田くんも被せてきた。
「それにかわいいときもあるし、きれいなときもあって……」
高田くんは続ける。
「何より優しいじゃないの!」
「何より優しいもんね!あと死神だしかっこよくて………」
また被ったけどそのまま高田くんは続けた。…西村さんがストップをかけたけど。
「わかった、わかったから………///」
西村さんは、顔を真っ赤にして照れていた。かわいい。
……また私ははっとした。西村さんのことを考えてしまったからだ。
「ふぅ、それにしても笠原さんって西村さんのこと結構詳しいんだね!びっくりしたよ!」
高田くんがそう言うと私はムキになってこう言った。
「べ、別にそんなんじゃないけど……でもまあ西村さんとはクラス委員で仲良いし?少しだけなら語れるかもしれないけど。」
「望むところだよ!僕の方が西村さんに詳しいし!」
「なら私は高田くんが知らない西村さんを語れるし!」
クラス中が私と高田くんの会話で呆気にとられてる最中、さっきのヤツが発言した。
「騙されたらだめだぜ西村。さっき笠原のやつ、西村とは仲よくないって言ってたし……」
西村さんと私がショックを受けてるとき、高田くんが言った。
「えぇ〜っ!?それってもっと仲良くなれるってことじゃん!いいな〜。」
私は驚いた。西村さんもちょっと照れてた。かわいい。
「高田くんってどこまでプラス思考なの!?………てかさっきは恥ずかしかったからそう言っただけだし!」
「そうなの…?よかった……!」ホッ
私が言い訳すると、西村さんは安心していて私はホッとした。
と、ここでチャイムが鳴って結局その噂は広がる前にうやむやになった。
授業を受けてる間にあっという間に放課後になり、朝とはうって変わってあのウワサはほぼなくなっていた。


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