74: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 20:50:51.51 ID:EEyFH7CuO
「キュウべぇ。古今東西、魔法少女はエネルギー回収ノルマ達成のために利用されてきた。
願いを対価に魔法少女になったとはいえ、一応はあなたたちに協力してきた身でもある。
全面的に協力をしろとまでは言わないけど、残された魔法少女と人類に、少しくらいは
忖度があってもいいでしょう?」
「美国織莉子。忖度とは政治家の娘らしい言葉を使うね。そんなことを言うのなら、
75: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 20:59:58.72 ID:EEyFH7CuO
「未来を襲う脅威の正体は、アリナ・グレイだと確信している。だけど、私の予知はぶれがある。
私自身、正直なことを言えば自信がない。それでも何もしないままでは、人類に未来はないわ。
せめて、脅威の正体を正確に知りたい」
「それなら、全面的な協力とまではいかないけど、せめてもの協力として、キミの予知能力を安定させよう。
魔翌力消費も今よりは抑えられるようにもしておく。反映には時間を要してしまうけどね」
76: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:02:22.64 ID:EEyFH7CuO
「W−3の実行、決定しちゃったね……」
「僕も、薄々そうなる気はしていたんだ。だから、今朝も言った通り、準備も少しずつしていた。
要員の選定だって、既に済ませてあるよ。あとは、誰を未来に来るか発表するだけだ」
「ミラーズとアリナがグルになってることを考えたときから、こうするしかないだろうって思ってたんだよね……」
「まさか、本当にアリナさんとミラーズが繋がってたなんて……。みんなで考えることなのに、
77: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:10:34.65 ID:EEyFH7CuO
「今配ったファイルは、W−1、W−2の草案。これは次回の会合で原案まで
漕ぎつければと思っている。浄化システムは、広げる目途が立つまで時間が、
まだがかかりそうなんだ。各自、あとで目を通してほしい」
「W−3のことだけど、コールドスリープする人数は三人、全員がユニオンメンバーだよ」
「どのような基準で選定を進めていたか、そこから説明させてもらうよ」
78: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:12:16.88 ID:EEyFH7CuO
その場の全員が沈黙した。
79: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:15:04.27 ID:EEyFH7CuO
「桜子は調整次第で、他のウワサたちの力を取り込める」
「|どういうこと?|」
「……今まで言うまいと思っていたけど、僕の命は、もう長くない」
「|……!?|」
「自分の体のことは自分で分かるさ。みんなだって気付いているだろう」
80: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:16:53.86 ID:EEyFH7CuO
「風の伝道師のウワサは、かごめさんを守るために残すんですよね。
アイちゃんとキレーションランドのウワサは、どうするんですか?」
「アイはさなと、キレーションランドは鶴乃と融合させる。鶴乃は融合状態で
活動していた過去を顧みるに問題ない。さなにもウワサとの融合経験がある。
だけど、限定的な状況だった上に、アイの性質上の問題も手伝って、さなが
81: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:19:32.24 ID:EEyFH7CuO
「なぁ、さなが家を出なくても済む方法はねーのかよ?」
「アイと融合した状態のさなは、電化製品が近くにあるとそれだけで影響を受ける。
騒音が流れるヘッドホンをつけたまま生活するのも同じだ」
「ストレスを少しでも軽くするには、ねむの提案が一番だと思うよ」
「さなも、常にそんな状態では未来で不便を被ると思う。アイとの融合状態を
82: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:26:30.45 ID:EEyFH7CuO
「浄化システムは私がいないと消えちゃう。どうして私がメンバーに選ばれなかったのかな?」
「それは既に手を打ってある。いつか灯花が開発したゲームが役に立つ」
「リトルバケーションを覚えてるかにゃー?」
「あ……最近、すっかり忘れてた……」
「リトルバケーションに、ういのアバターを作って、紅晴結菜の対象変更でコアをアバターのういに移す。
83: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:47:26.49 ID:EEyFH7CuO
「流石は里見さんと柊さんね。ミラーズ対策も考えてるんですもの」
「あまり期待されると、それはちょっと困るにゃー。希望的観測の領域は出ていないし……」
「ねむちゃん。話は戻るんだけど、桜子ちゃんを安全にサーバに移せる保証はあるのかな?」
「理論上では、ウワサの力を付与したサーバであれば、安全に移せるよ。
検証を止めた日以来、知古辣屋零号店のカカオマスには、再び魔翌力を溜め込んでいるんだ。
84: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:48:27.39 ID:EEyFH7CuO
「灯花さん、マシンは実現するための技術が、まだ存在しないはずでは?」。
「あなたの言う通り、技術はまだ存在しないよ。一朝一夕で用意なんて、いくらわたくしでも
無理なんだにゃー。遺体を冷凍保存するのとは違って、現在の技術では、生きている人間を
安全にコールドスリープさせることは、できないんだよ」
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