81: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:19:32.24 ID:EEyFH7CuO
「なぁ、さなが家を出なくても済む方法はねーのかよ?」
「アイと融合した状態のさなは、電化製品が近くにあるとそれだけで影響を受ける。
騒音が流れるヘッドホンをつけたまま生活するのも同じだ」
「ストレスを少しでも軽くするには、ねむの提案が一番だと思うよ」
「さなも、常にそんな状態では未来で不便を被ると思う。アイとの融合状態を
オンオフできるように、ウワサを書き換える必要もある」
「本当にどうにもなんもねーってことか?」
「悪いけど、これはどうにもならない。さなは、みかづき莊を離れて一人で暮らすことになる。
その代わり、さなの生活は僕がバックアップさせてもらうよ」
「さな……」
「ウワサをサーバに移すには、ウワサを書き換える時間が必要になる。
住居の用意もすぐとはいかないから、みかづき荘を出るのは、今すぐという話ではない。
マシンの開発も含めて準備が色々と必要だ」
「そうですか……。あの、本当にウワサをサーバへ移しても大丈夫なんですか?」
「言いたいことは分かるよ。過去の検証で起きたことは忘れていないさ。
危険と判断して止めたけど、ウワサとの融合は二人も成功例を得られた。
だから、そちらの研究は続けていたんだ。もっとも、シミュレート上での
研究しかできなかったけどね。それから……」
「なんでしょう?」
「アイとの融合は、さなが一般人から姿を認識されない状態に、変化を齎せるかもしれない」
「それって……!」
「再びさなが魔法少女以外からも、認識されるようになるかもしれない。
ただ、あくまでも可能性でしかないから、期待はしないで欲しい」
「だ、だけど、少しでも可能性があるなら、やっぱり期待はしたいです……」
さなはそこで会話を終えて、ういが入れ替わりに口を開く。
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