エンド・オブ・ジャパンのようです
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281: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2024/07/29(月) 23:01:57.36 ID:eAQesrsX0
艷やかな栗色のボブ・ショートヘア、髪と同じ色をしたパッチリと大きな瞳、どこか優しげで人懐こさを感じさせる、可愛らしい小動物のような風貌。

紛れもなく、美少女と呼ぶに値する容姿。パッと見はとても装甲兵器を扱った特殊な武道に精通した人間であるようには、況してや名門学園艦チームを破り、大学選抜をさえ薙ぎ倒し、遂には界隈から“軍神”とまで称されるほどの人物だとは思えない。

「初めまして、大洗女子学園の西住みほといいます。
以下略 AAS



282: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/29(月) 23:04:19.31 ID:eAQesrsX0
この諺を、遥か昔のヨーロッパで最初に口にした人が思い描いたであろうシチュエーションとは方向性が違う、その事は重々承知しているわ。

それでも私の脳裏には、“地獄への道は善意で舗装されている”という言葉が思い浮かんでいた。

(振りほどくわけにもいかないし………)
以下略 AAS



283: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/29(月) 23:06:17.38 ID:eAQesrsX0
1人の少女が、ズカズカと大股で肩を怒らせながらこちらへ歩み寄ってくる。

年の頃は西住さんと同じぐらいで、不健康寄りな白さの肌と鼻の頭のあたりに散りばめられたそばかすが先ず視線を引く。やや癖っ毛気味なブラウン色の髪を乱雑に両脇で束ね、垂れ目でありながらその奥の瞳は存外気の強そうな輝きを放っていた。

大いに礼を失することを承知の上で評するなら、西住さんや同じアンコウさんチームの五十鈴華さん、或いは知波単学園の西絹代さんのように衆目を集める美少女とは言い難い。
以下略 AAS



284: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/29(月) 23:08:22.21 ID:eAQesrsX0
∬メ´_ゝ`)「…………。ええ、そうよ」

(…………上手いわね)

強引に話の腰を折って機先を制し、更に“関係者である第三者”の見解を交えることで自分の論を補強させた。しかもあえて私自身には話を振らないことで、「本人が休養を得るためいい加減に話を合わせている」という線も同時に消している。
以下略 AAS



285: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/29(月) 23:10:08.11 ID:eAQesrsX0
「I am sorry for all the rudeness earlier. I'd like to ask you a question in English because I don't really want everyone to hear it... is that a problem?

(さっきは色々礼を失したわ、ごめんなさい。周りの連中にあんまり聞かせたくない内容だから英語で会話させてほしいんだけど……不便かしら?)」

∬メ´_ゝ`)「No problem.
以下略 AAS



286: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/29(月) 23:14:31.03 ID:eAQesrsX0
………考えてみたら、西住流という戦車道の中でも名門中の名門をルーツとし、元よりその才覚は高く評価されていた身だ。“国際的なデビュー”を見越して、そうした教育についても力を入れられていた可能性は十分に考えられる。確か姉の西住まほさんは、実際にドイツへの留学経験もあったはずよね。

ただそうした面を考慮に入れても尚、彼女の「流暢さ」に対する驚きは収まらない。何度か作戦を共にしたアメリカ艦や米海兵隊、或いはウチのウォースパイトなんかの英語と比べても違和感は殆どなかった。

「Yes, your impatience certainly has a point.
以下略 AAS



287: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/29(月) 23:16:13.09 ID:eAQesrsX0
.




以下略 AAS



288:名無しNIPPER[sage saga]
2024/07/30(火) 11:50:20.51 ID:dYw+n8780
投下おつです
善意で舗装されようが、悪意に引き摺られようが
ここからは地獄への一本道ですね


289: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2024/08/01(木) 23:54:54.67 ID:5POtTtSP0
西住さんの視線にも、それを取り巻く保安官や衛生班の囁きにも、どちらも恐らく気づいている筈。アリサさんはその中を、怯むことなく肩で風を切り堂々と去っていく。

「………、………………、〜〜〜〜〜っ!!!」

ただしその歩調は、西住さん達から離れるにつれて加速する。7、8メートル離れたところで大股に、15メートル程になると小走りに近くなり、視線が完全に切れたところでほぼほぼ“疾走”と表現していい速度になる。
以下略 AAS



290: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2024/08/01(木) 23:57:31.88 ID:5POtTtSP0
…………さっきの“大論陣”の前にも色々と積み重ねがあったらしい。壊れ方の激しさも然ることながら、言ってる内容の意味不明ぶりがウチの司令官とタメ張れるレベルだわ。

そう言えば、アリサさんに想い人がいるってのは割とこの界隈じゃ有名な話ね。恐らく“タカシ”とやらがその相手なのでしょう。
例の全国戦車道大会における西住さん達に対しての無線傍受の件とコレが合わさり、屈指の名門校においてフラッグ車を任されるほどの腕前を持ちながら彼女の人気は少なくともウェブ上の関連ニュースなんかを見る限り決して高いとは言い難い。

以下略 AAS



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