284: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/29(月) 23:08:22.21 ID:eAQesrsX0
∬メ´_ゝ`)「…………。ええ、そうよ」
(…………上手いわね)
強引に話の腰を折って機先を制し、更に“関係者である第三者”の見解を交えることで自分の論を補強させた。しかもあえて私自身には話を振らないことで、「本人が休養を得るためいい加減に話を合わせている」という線も同時に消している。
完全に、アリサさんは西住さんから場の主導権を奪った。
∬メ´_ゝ`)「厳密には私も陸自だからそこまで詳細には開示されてないけど、艦娘の修繕・治療は特殊な修復剤を用いた“入渠”という行為が必要で、艤装の着脱や変更についても鎮守府内における専門施設で行われているわ。
少なくとも、この陣地内で彼女を著しく回復させる方法は多分ないわね。強いて言うなら、少しでも精神的に安んじさせて上げるのが一番」
「Thanks.
…………これで解ったでしょ?アンタたちがやってることは、Ticonderoga-classの装甲を頑張って素手で捏ねてるのと同じぐらい非効率的なことなの。寧ろムラクモからしたら、ちょっとでも身動ぎしたら吹っ飛ばしかねない連中が手足に纏わりついてるような状況よ?身体どころか心さえ休まらないと思わない?」
「た、確かに………」
「ごめんなさい叢雲さん!私達、艦娘について無知すぎた!」
「え、ええ。別に構わないわ、善意でやってくれていたのは解ってるし」
「……………」
機銃掃射のごとく淀みないアリサさんの論陣で、我に返った面々は謝罪の言葉を残して次々と私の傍から離れる。
“拘束”から開放される私を見る西住さんが一体内心で何を思っているのかは………正直言って、私には窺い知ることができなかった。
「............ By the way, Self-Defense officer, what is your name?
(ところで、自衛官さん。貴女の名前を伺ってもいいかしら?)」
∬メ´_ゝ`)「My name is Ane-Sasuga.
I belong to the Japan Ground Self-Defense Force and my rank is 2nd Lieutenant. Nice to meet you.
(私の名前は流石阿音。日本陸上自衛隊所属の2等陸尉よ。以後よろしく)」
「「「…………………!!?」」」
唐突に、アリサさんは英語で話し始める。阿音は即座に対応したけど、周囲の面々は驚愕のあまり僅かに後退った。
まぁアリサさんの出身校と自衛隊という組織における語学力の重要性を考えれば決して不思議な光景じゃないんだけど……日本人という人種の英語耐性の無さを考えると、突然予期せぬ形で会話が発生したのだから無理のない反応かしらね。
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