79:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:52:52.61 ID:XVB8s0iW0
とはいえ魔神たちは、こうした違いは気にしなかった。
むしろこれら相違点は彼らをより興奮させた。
旧世界の人間が物質領域から完全離脱するには、
きわめて稀なる才と運と果てしない技巧が必要であったが、
80:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:53:18.85 ID:XVB8s0iW0
人間は力を求めていた。
外には天界と魔界、人間界内でもエーシルの長子たる混沌神族がおり、
そのような勢力と均衡するために力の獲得が急務だった。
81:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:53:44.89 ID:XVB8s0iW0
ただし、人間たちは
魔神の技術を何でも無条件で受け入れたわけではなかった。
例えば、魔神の「不死」と「無限」の式である。
82:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:54:11.14 ID:XVB8s0iW0
こうして技術を獲得した人間は、
「知識こそが力」という理念のもと瞬く間に成長していった。
そして魔神たちが期待したとおり、その才能には著しいものがあった。
83:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:54:41.83 ID:XVB8s0iW0
13 主神派の失敗と「魔女」
人間は天界の友人となったとはいえ、
天界陣営に組したわけではなかった。
彼らの目指すところは天魔に拮抗する第三勢力として君臨するものであり、
84:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:55:10.98 ID:XVB8s0iW0
しかしどのような都合であろうと
これがアンブラ・ルーメンという二大氏族の不均衡をもたらしたのも事実であり、
様々な摩擦を生じさせた。
主神派に対し、両族に対等に接していた魔神派は常々不満を述べ、
85:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:55:51.83 ID:XVB8s0iW0
この世界観の相違は当初、互いに寛容さをもって違いを認めたため、
表向きには大きな問題にはならなかった。
しかし前述の待遇の不均衡という状況が重なった今、
この封じられていた反感がアンブラ族で表面化していった。
86:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:56:25.12 ID:XVB8s0iW0
こうしたアンブラ族の魔への傾倒は、
当然ながら主神派に強い反感を抱かせた。
ただ、さすがに主神派自身の采配が招いた失敗であることも明らかであり、
その自省が彼らを自制させ、この時はひとまず静観に留まらせた。
87:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:57:09.82 ID:XVB8s0iW0
今回ばかりは、主神派も自分たちの過ちを認めるしかなかった。
ジュベレウス復活のため光の属性を優遇した結果、
かえって闇が増大してしまったのだから。
ただし、アンブラ族の魔への傾倒は副次的ながら益もあった。
88:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:57:37.33 ID:XVB8s0iW0
そして最後に、討伐した悪魔の魂や亡骸等は
魔界由来の有益な資源であるという実利である。
中でも特殊能力を有する悪魔は、
89:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:58:26.86 ID:XVB8s0iW0
14 『クリフォトの樹』
かの魔界植物はある時から、
人間界にまで根を下ろし、そして人間を捕食対象とし、
その血を糧とする生態を獲得した。
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