82:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:54:11.14 ID:XVB8s0iW0
こうして技術を獲得した人間は、
「知識こそが力」という理念のもと瞬く間に成長していった。
そして魔神たちが期待したとおり、その才能には著しいものがあった。
短期間のうちに神域に達する者も現れ、
技術を昇華させて独自理論も築き、
特に時空干渉術と召喚術は魔神たちをも驚かせる域に達した。
これら人間の急激成長や新たな『式』分野開拓について、
魔神たちは脅威や嫉妬などは感じなかった。
逆にこうした共同研究者の獲得は
彼らにとっても有益であった。
「世界の目」によってジュベレウス復活の可能性が見出せたとはいえ、
それを成すには専用の式を開発せねばならず、
相手がOMNEの域ということもあって
魔神たちにとっても骨の折れる大仕事であったからである。
そのためこれら共同研究者たり得る勢力の出現は大変有益だった。
成熟した魔神たちの叡智と、若く新しい才と視点を組み合わせることで、
復活式の開発を早めることが可能になった。
しかし、そのジュベレウス復活式が完成することはなかった。
完成も間近というところで、
主神派が式の開発停止を命じたからである。
主神派と魔神派の関係がまた悪化した、というわけではなかった。
変化したのは人間界の情勢だった。
人間の最強勢力の片方、
アンブラ族が魔界とも通じはじめたのである。
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