81:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:53:44.89 ID:XVB8s0iW0
ただし、人間たちは
魔神の技術を何でも無条件で受け入れたわけではなかった。
例えば、魔神の「不死」と「無限」の式である。
魔神たちはそれらの式で魂の密度と規模を無限に、
すなわち死を克服し無尽蔵の力を獲得していたが、
人間たちはその技術の共有はせず、
魂の強化関連は独自に行うと決断した。
いくら魔神派は友好的とはいえ、
根幹を司る技術を外部勢力と共有するのは
安全保障上の問題とみなしたために。
唯一無二たる「世界の目」を守るという使命を担う以上、
全ての外勢力を潜在的脅威と仮定せざるを得ない事情があったのである。
とはいえこの事情は魔神側、
そして天界全体としても十分理解していたため、
友好活動に支障はなかった。
また、こうした人間たちの独自路線は、
魔神のもとで成熟しきっていた『式』体系に
新たな刺激を与えることになり、魔神派にとっても有益だった。
力の基盤となる魂、それを扱う方法が違えば、
発揮される力全体も変わり、視点や理解も変わる。
この新人間たちの力体系は初期こそ魔神の技術流用であったが、
次第に独自色を強めていき、
最終的に根本から異なる新体系に発展していくこととなる。
313Res/336.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20