悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:54:00.42 ID:nMXYXkpFO
「そんなにあの人のことが大切なら、あの人みたいな女の子と付き合えば良いと思うな」
「そんな女の子は居ないよ。あいつは裏表がないからね。あいつと一緒に居ると、劣等感で苦しくなる。だから彼女にはしたくない」
そんなものだろうか。底抜けに良い人の近くに居ると、たしかに劣等感に付き纏われるのかも知れない。そう考えると、少し可哀想。
以下略
AAS
13
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:57:10.06 ID:nMXYXkpFO
「ちょっとあたしの考えを訊いて欲しい」
「うん、いいよ。訊こうじゃないか」
「あたしもあんたも人としてどうしようもない部分がある。あの人はそういう嫌なところがない。でも、目を背けてはいけないんだ」
「よくもそんな大真面目な顔をして、少年漫画の主人公みたいなことを言えるものだね」
以下略
AAS
14
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:59:51.80 ID:nMXYXkpFO
「となると、あたしはあんたを振らず、捨てられた可哀想な女になる必要があるわけか」
「その発想がもう可哀想とは程遠いけどね」
発想は自由だ。口に出さなければ問題ない。
以下略
AAS
15
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:02:17.80 ID:nMXYXkpFO
「まったく……自分から言い出した癖に」
「あんた、最初からわかってたでしょ?」
教室から連れ出して、人気のない階段の踊り場で詰問すると、王子サマは素直に答えた。
以下略
AAS
16
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:04:37.17 ID:nMXYXkpFO
「ところでさ」
「なによ、教室に戻らなきゃ……」
「教室まで、手、繋ぐ?」
手か。まあ手くらいなら。もう繋いでるし。
以下略
AAS
17
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:06:03.52 ID:nMXYXkpFO
「姫もどき」
「なによ、王子もどき」
この頃、そんな呼び方が定着してしまった。
お互いに否定出来ないので訂正することなく性悪コンビは継続している。なんだかなぁ。
以下略
AAS
18
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:07:48.40 ID:nMXYXkpFO
「王子もどき。あたしは考えた。訊いて」
「訊こうじゃないか」
このままではいけないとは言うまい。あたしは高望みをしているのだろう。それでも手を伸ばすことに意味があると信じているから。
以下略
AAS
19
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:09:52.99 ID:nMXYXkpFO
「したかったのはあんたじゃないの?」
「余裕ぶって漏らしても知らないよ?」
「おい、お前ら! とにかく落ち着けって!」
挑発を続けつつ席を立ってトイレに向かうあたしたちを家来が必死に止めようと試みる。
以下略
AAS
20
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:11:35.23 ID:nMXYXkpFO
「もう大丈夫。スカートあるし」
「まあ、それなら平気か」
「平気じゃねーよ……俺を巻き込むなよ」
スカートを下ろしてひと安心。彼氏も許してくれた。家来くんだけトイレの個室で蹲ってしまっている。とりあえず、便座に座った。
以下略
AAS
21
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:13:21.55 ID:nMXYXkpFO
「なら、せめて俺の見てないところで……」
「待てよ。逃げんなよ」
あたしは何も言えない。男同士の語らいだ。
以下略
AAS
22
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:19:12.22 ID:nMXYXkpFO
「だから、逃げるな」
王子に命じられた家来くんはしかと頷いて。
「ああ……わかった」
以下略
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