悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
1- 20
20:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/02(日) 23:11:35.23 ID:nMXYXkpFO
「もう大丈夫。スカートあるし」
「まあ、それなら平気か」
「平気じゃねーよ……俺を巻き込むなよ」

スカートを下ろしてひと安心。彼氏も許してくれた。家来くんだけトイレの個室で蹲ってしまっている。とりあえず、便座に座った。

「ほら、あんたも座りなさいよ」
「狭い」
「贅沢言わないの」
「キミの尻が大きいのが悪い」
「うっさい。かわいくしろ」
「キミもね」

文句を言いつつも2人で仲良く便座を分かち合い、あたしたちは家来を見下ろし命じる。

「俯いてないでちゃんと見ろ」
「うん。あたしも見て欲しい」
「もう勘弁してくれ……俺を出してくれ」
「出すのはあたしたちなんだケド」
「キミはたまに面白いこと言うね」
「うるせーよ!? 何言ってんだ、お前ら!」

あたしたちの漫才を聞いてようやく顔を上げてくれた家来くんが、真っ赤な顔で呟いた。

「俺……お前たちに憧れてたんだ」
「いきなりどうした?」
「それどういう意味?」
「美男美女で、お似合いで、仲良しで……近くで見てるだけでも、俺は嬉しかったんだ」

それは真実ではない。しかし彼には事実だ。

「だから、そういうことをしないで欲しい」
「うんこをするなと言われても困るぞ」
「うん。あたしたちだって生きてるし」

我々は人形ではない。飯を食えば糞もする。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
25Res/26.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice