悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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21:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/02(日) 23:13:21.55 ID:nMXYXkpFO
「なら、せめて俺の見てないところで……」
「待てよ。逃げんなよ」

あたしは何も言えない。男同士の語らいだ。

「僕らは、お前に見て欲しいんだ」
「そんな……なんのために」
「僕の大切な……彼女のために」

こいつ。このシチュエーションでそんな台詞を。台本に書いていない彼氏の言葉に、トイレの個室であたしは泣きたくなった。くそ。

「僕の彼女はお前が思っているほど美しくはないかも知れない。それでも、自分の汚いところをお前に見て欲しいと思っている。僕は彼氏として、そんな頭がおかしい彼女を尊重してその願いを叶えてやりたいと思ってる」
「頭がおかしいは余計」
「あ、これは失敬」

腹黒王子はそれでも王子らしく、こう囁く。

「頭がおかしいお前が、僕は大好きだよ」
「……ありがと」

嬉しかった。偽物でも、本物以上に響いた。


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