悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/02(日) 22:54:00.42 ID:nMXYXkpFO
「そんなにあの人のことが大切なら、あの人みたいな女の子と付き合えば良いと思うな」
「そんな女の子は居ないよ。あいつは裏表がないからね。あいつと一緒に居ると、劣等感で苦しくなる。だから彼女にはしたくない」

そんなものだろうか。底抜けに良い人の近くに居ると、たしかに劣等感に付き纏われるのかも知れない。そう考えると、少し可哀想。

「よしよし。辛かったね」
「もっと撫でろ」
「口の利き方には気をつけな」

ふわふわにセットされた王子の髪をぐりぐりしながら悪態を吐き合うのは、楽しかった。
なんだかんだ言っても我々は合うのだろう。

「でもこの関係は生産的ではないよね」
「うん。それな」

あたしたちがどれだけいちゃこらしようが、後に残るのは虚しさだけ。虚無であり鬱だ。

「あの人に会いたいなぁ……」
「あいつが居てくれたら……」

肩にもたれながら、お互いにひとりごちた。
家来成分が足りない。恐らく王族同士の婚約とはこんな感じなのかも知れないと思った。


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