悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/02(日) 22:52:25.08 ID:nMXYXkpFO
「そもそもなんであいつが良いわけ?」
「なんでって……なんとなく」

美味しいランチをご馳走になって満腹のあたしが無防備なところを見計らうように、王子は好意の理由を詰問してきた。食い過ぎた。

「あいつは確かに良い奴だし、真面目だから女ウケも良いけど、キミみたいな知将タイプとはあんまり相性が良くないと思うよ?」
「大きなお世話」

とは言うものの、たしかに家来くんとあたしの相性が悪いことは事実であり、その自覚もあったので、むしろ王子はよく見ているもんだと感心してしまったのが本音であった。

「実を言うとさ、僕は付き合うならキミみたいなタイプだと最初から決めていたんだよ」
「自分に興味がない女だから?」
「そうそう。僕のことなんて好きでもなんでもないもんね、キミは。そこは悪くないよ」

そこが好きだとは言わないところが王子らしくて可愛くて、口にはしないが好きだった。

「隣に来たら?」
「うん。いま行く」

隣の席をぽんぽん叩いて促すと王子は素直に腰を下ろした。普段からこうやって素直なら無害なのに腹の中は真っ黒。それはまるで。

「あんたはあたしみたいだね」
「あはは。キミが僕なんだよ」

どちらにせよ、あたしたちは似ているのだ。


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