高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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32:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:59:06.98 ID:mOMWMpAw0
藍子は立ち上がり、勝手口の方へ。入り口と同じ、甘みがかかった茶色のドアを開けてから手だけを外に出して。

うんしょ……

軽いかけ声と共に持ち上げたのは……ものすごく大きな袋?
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:59:37.25 ID:mOMWMpAw0
「このプレゼントは、クリスマスツリーに飾れるようにもなっているんです」

しろちゃんが手に取り、床に置き直したプレゼントの、青色のリボンをそっとつまみ上げる。

「こうして、こうして……ほらっ♪ ツリーが、可愛くなりました。そーちゃん、しろちゃん。一緒に、飾り付けをしてみませんか?」
以下略 AAS



34:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:00:07.11 ID:mOMWMpAw0
1枚目は私たち4人の写真を。2枚目はセルフタイマーを使って、藍子も輪に加わる。
デジタルトイカメラに表示された写真を、そーちゃんが覗き込む。肩越しにのしかかる形になって、藍子がほんのちょっぴり、くすぐったそうに身をよじった。

「あははっ。どう、うまく撮れてるでしょっ」
「すごいすごい!」
以下略 AAS



35:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:00:36.69 ID:mOMWMpAw0


□ ■ □ ■ □


以下略 AAS



36:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:01:07.05 ID:mOMWMpAw0
「…………」

藍子は少し考える素振りを見せてから、しろちゃんの頭をそっと撫でてあげつつ立ち上がった。
それから、沈んだ空気の中では異彩に見えるモミの木へと手を伸ばし、一番伸びた枝の先にかかるプレゼント箱を手に取る。

以下略 AAS



37:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:01:39.20 ID:mOMWMpAw0
「でも、そんなことないんだよ。この世界には、楽しいものも、面白いことも、いっぱいあるんだよ」

詩を諳んじるように続け――ね? と、私へと微笑みかけた。

「私は加蓮ちゃんみたいに、すごく楽しい時間を作ってあげたり、劇的な変化をもたらしたりするのは、あんまり得意じゃありません。
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:02:10.93 ID:mOMWMpAw0
「しろちゃんの好きなものは、これかな?」
「う、うん……。えと……ううん、わかんない」
「そっか」
「けど、やっぱり、……あの……うん。ほしいっ!」
「じゃあ、開けてあげますね。……じゃんっ」
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:02:36.74 ID:mOMWMpAw0
「あいこちゃん!」

ふと、そーちゃんが叫んだ。

「なにかな、そーちゃん」
以下略 AAS



40:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:03:07.04 ID:mOMWMpAw0
そーちゃんが嬉しそうに頷いたのを見送った藍子は、ふと、室内を見渡した。カフェをマネて作った暖炉側ではなく、藍子の優しさが形となったカフェスペース側。おそらく手描きで作った一葉のメニューをそっと拾い上げ、勝手口のすぐ側に置きっぱなしにしていた鞄へとしまい込む。


「素敵な世界を、たくさんの人に知ってもらって、感じてもらう私の世界。もっともっと、いっぱい広げたいな――」

以下略 AAS



41:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:03:36.89 ID:mOMWMpAw0


□ ■ □ ■ □


以下略 AAS



42:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:04:09.11 ID:mOMWMpAw0
「今日はありがとう、藍子ちゃん。また今度、加蓮ちゃんのことをお話しましょう」

寒空に浮かび上がるような挑発と興味を混ぜた笑みで、そんなことを付け加えた看護師さんを蹴っ飛ばそうとしたら、それよりも早く運転席へと逃げてさっさとドアを閉めてしまった。

「ぐんぬぬ……!」
以下略 AAS



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