高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/12/25(金) 20:59:37.25 ID:mOMWMpAw0
「このプレゼントは、クリスマスツリーに飾れるようにもなっているんです」
しろちゃんが手に取り、床に置き直したプレゼントの、青色のリボンをそっとつまみ上げる。
「こうして、こうして……ほらっ♪ ツリーが、可愛くなりました。そーちゃん、しろちゃん。一緒に、飾り付けをしてみませんか?」
「する!」
「……うん!」
なるほど、それが狙いだったんだ。少し不格好なモミの木だけがデコレーションされていないのも、そういうことだったんだね。
こうなればもう、プレゼント選びという目的なんてどこかへすっ飛んじゃった。そーちゃんもしろちゃんも、プレゼント箱を手にしてはツリーへと運んでいく。高いところへは、藍子が抱っこしてあげて。
30分も経たないうちに、モミの木はあっという間に都会の待ち合わせ広場にあってもおかしくないくらいキラキラとした装いに。
やったー! とぴょんぴょん跳ねているそーちゃんへと、藍子が拍手してあげる。しろちゃんもそれを真似て、手を叩いていた。
「このツリー、びょういんにもあるの! あいこちゃん、知ってた?」
「ううん、初めて知りました。病院にも、ツリーがあるんですね」
「あるの! すごいでしょ。でも、こっちのツリーのほうが、すごい!」
「そーちゃんとしろちゃんが、飾ってあげたからですよ。……そうだっ。このツリーと一緒に、写真を撮りませんか? クリスマスの思い出にしましょうっ」
「はいっ!」
「しろちゃんも、こっちに……はい。ツリーと一緒にいると、まるで雪だるまさんですね」
そして、そーちゃんはしろちゃんの隣へ。うん、と満足気に頷いた藍子は、次は私へと手招きをする。
「加蓮ちゃんっ。そこで立っていないで、こっちに来てくださいよ〜」
「はいはい。私はどこにいればいいの?」
「ここ!」
「だそうですよ。……加蓮ちゃん、もうちょっとツリーの方に寄ってっ。看護師さんは――」
「あら。私も?」
「もちろんです♪ 看護師さんは……この辺りの、おふたりと加蓮ちゃんを見守る位置に……。では、撮りますよ〜」
はい、チーズっ。
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