高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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42:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:04:09.11 ID:mOMWMpAw0
「今日はありがとう、藍子ちゃん。また今度、加蓮ちゃんのことをお話しましょう」

寒空に浮かび上がるような挑発と興味を混ぜた笑みで、そんなことを付け加えた看護師さんを蹴っ飛ばそうとしたら、それよりも早く運転席へと逃げてさっさとドアを閉めてしまった。

「ぐんぬぬ……!」
「まあまあ。加蓮ちゃん、落ち着いてください」

続けて、もこもこ姿のちびっこふたりが街灯に照らされながら車へと乗り込んでいく。ドア前に置かれたミニスロープへと足をかけたしろちゃんが、車内へ入る直前にこちらを振り返った。
ちいさく開いた口が、つぶやきと言うにも小さすぎる声で何かを言う……なんとか聞き取りたくて、藍子が駆けてゆく。

「……た……。また、きても……来たいです……っ!」
「……!」

生まれたてのカフェ。そして、12月25日限定の――

だけど藍子は力強く頷いた。必ず来てくださいね、と答えて、小指同士で指切りまでした。
しろちゃんはそれで満足して、またあの灰色に塗りつぶされたような瞳を、運転席の背中側へと向け続けた。


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