ロード・エルメロイU世の事件簿 case.封印種子テスカトリポカ
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名無しNIPPER
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2020/09/21(月) 20:21:06.47 ID:amUbMXcr0
「……大丈夫ですか、師匠」
「も、問題ない」
どこかからどう見ても問題の"ある"様子で、自分の師匠であるロード・エルメロイU世は応えた。どう問題かというと、控えめに言って今すぐ死んでも「ああ、やっぱり」と納得してしまいそうなくらい生気がない。
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3
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:21:48.12 ID:amUbMXcr0
「うむ、シンデレラよ。死ぬ前にこの水を飲むと良いガオ」
「……あ、ありがとうございます」
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AAS
4
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:22:27.23 ID:amUbMXcr0
*
切っ掛けは二週間ほど前に遡る。あの激動の冠位決議の後、スラーの再建が終わり、ようやくかつての日常が戻ってきた頃だった。
いつものようにアパートに呼び出され、師匠が借りている部屋のドアの前で立ち止まる。髪を整える為だ。身だしなみではない。金色に変色した一房が誰の視界にも映らないように、フードの下へ掻きあげるようにして押し込む。
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5
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:23:14.08 ID:amUbMXcr0
「……それで、結局何の話なんです?」
再び舌戦が再開されそうな気配を察し、先んじて質問をする。話の端々から判断するに、これまでの様な厄介事なのだとは思うが、師匠の方が積極的に介入しようとしているのは珍しい。
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AAS
6
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:24:14.32 ID:amUbMXcr0
「グレイ。今回は私と一緒にメキシコまで行ってもらいたいんだ」
「メキシコ」
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AAS
7
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:24:43.10 ID:amUbMXcr0
だから、訊ねた。
「師匠、本当に行く必要があるんですか?」
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8
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:25:35.44 ID:amUbMXcr0
「……とりあえず、説明をしよう。グレイ、こっちへ」
手振りで座る様に促された、師匠の隣へ腰をおろす。次いで、机の上に広げられた資料の一枚を師匠は示した。
それは1枚の絵だった。おそらく、手書きの物を印刷機でコピーしたのだろう。ところどころに掠れのような汚れまでもが映り込んでいる。
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AAS
9
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:26:55.89 ID:amUbMXcr0
最大の誠意を見せることで、最大の見返りを期待する。
信仰とは対極にあるようで、しかしその実、両者は切り離せない関係にある。自教を信じれば不幸になる、などという宗教は存在しないからだ。
以下略
AAS
10
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:28:01.63 ID:amUbMXcr0
「じゃあ、どうするんですか?」
「魔術師としての格はどう考えてもこちらの方が低いのだから、彼らと同じ方向で考えても同じ轍、いやそれ以下を踏むだけだ。つまり、我々は考え方を根本から変えねばならない――その内のひとつとして、こんなものを用意した」
以下略
AAS
11
:
名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:28:59.00 ID:amUbMXcr0
*
それから数分を掛けて行われた、師匠の計画の概要を聞いて、
「……まさか、そんな抜け道が」
以下略
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