35:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:59:27.07 ID:XnGtX3Tv0
『醜狐』
36:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:00:15.23 ID:XnGtX3Tv0
「ほら、書けた!」
玉露のように瞳を輝かせ差し出すそれに
37:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:03:03.51 ID:XnGtX3Tv0
◆
田が黄金に色づく頃、暑さも和らぎ風も涼しさを取り戻した。
38:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:06:43.15 ID:XnGtX3Tv0
目指すは紗枝が今住み込んでいる御所……ではなく紗枝の実家だ。
まずは情報収集だ。
良くも悪くも御所は御所、それなりの警備をしている。
39:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:09:09.75 ID:XnGtX3Tv0
「誰や!?」
「!」
40:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:12:57.20 ID:XnGtX3Tv0
晴天の如き平穏を保つはずの御所に霹靂が突き刺さった。
天からではなく地を疾るそれは外壁をぶち抜き点在する屯所を弾き飛ばし回廊を庭ごと抉り取る。
ただ紗枝の元へ一刻も早くたどり着く。
それ以外の事を埒外としながらも紗枝の宿命を押し付けた者共への怒りが溢れ出す。
41:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:14:43.68 ID:XnGtX3Tv0
……おかしい
紗枝のいる方向は分かっている。
42:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:16:45.92 ID:XnGtX3Tv0
「あらら……もうバレちゃいましたか」
「茄子さん、どうするのでしてー?」
43:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:20:22.70 ID:XnGtX3Tv0
しかし黒煙の向こう側、周子という妖の規格を知らなかった。
面倒な攻撃ではあるが致命傷には至らないこれらの紙切れを耐えながら、周子の意識は眼前の二人……ではなくもう一人に向けられる。
当初茄子と芳乃しかいないと判断していた周子であったが、先ほどの式神の挙動で“もう一人術者が潜んでいる”と確信した。
44:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:21:41.50 ID:XnGtX3Tv0
「空間を解きや、そしたら命までは取らん」
「あらら、せっかくいい部屋用意したのに付き合ってくれないの?お堅い女じゃ想い人にも逃げられちゃうぞ?」
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