11:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:03:30.30 ID:XnGtX3Tv0
◆
雨季に差し掛かろうかという頃。すっかり山の木々は生い茂り夜には蛙の鳴き声も目立つようになってきた。
12:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:05:15.45 ID:XnGtX3Tv0
紗枝はシューコにあの日以来会っていない。
帰りが遅くなったせいでしばらく監視の目が厳しくなったり稽古が長引いたり天気が悪かったり
理由は様々あれどさすがに日を空けすぎたかもしれない。そろそろ一月近く経ってしまう。
13:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:08:49.67 ID:XnGtX3Tv0
◆
14:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:11:58.19 ID:XnGtX3Tv0
「で、この……文字、どういう意味なんだっけ?」
「えっとね、まずこっちが……」
15:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:12:53.56 ID:XnGtX3Tv0
「随分気に入っとるんやね〜誰につけてもろたん?」
「お母はん!」
16:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:16:39.14 ID:XnGtX3Tv0
人間は些細なことで思い悩んでしまうもの。
そんな者達をシューコは幾つも見てきた。
老若男女問わずそうだ。
一つ悩んで歩みを止めて、再び進んでまた悩む。
17:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:19:46.98 ID:XnGtX3Tv0
「ねぇ、紗枝ちゃん」
腰を上げて、紗枝の正面、再びしゃがんで、顔を見上げて
18:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:22:53.12 ID:XnGtX3Tv0
◆
19:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:25:02.93 ID:XnGtX3Tv0
「ええどすか、術を扱うにあたってその歴史を知るんは大切なことなんどす!」
曰く、術はかつて神々から授かりし物
曰く、術は人類としての独り立ちの証
20:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:27:53.31 ID:XnGtX3Tv0
そこには厄災を鎮めたその後の話が簡潔に書かれていた。
要は、術をもらった後の人類は神々から独り立ちして当時の最も活躍した一族がこの国を治めるに至ったとのことだった。
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