12:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 19:05:15.45 ID:XnGtX3Tv0
紗枝はシューコにあの日以来会っていない。
帰りが遅くなったせいでしばらく監視の目が厳しくなったり稽古が長引いたり天気が悪かったり
理由は様々あれどさすがに日を空けすぎたかもしれない。そろそろ一月近く経ってしまう。
星読衆が言うには明日にはこの空も晴れるとのことだった。異国では気象予報士とかいう名の職務だそうだ。
紗枝にとっては覆面に全身黒づくめのくせに装飾過多なあの装束がどうにも好きになれなかったが、晴天の予報をくれる時だけはその嫌悪感が薄れるのだった。
特に今は輪をかけてそうだ。
星読衆という呼び名もまだ一部平仮名でしか書けないのが歯痒いが良い名前に思えてくる。
とにかく明日は晴れるのだ。ならば予定は決まったようなものだった。幸い明日の昼過ぎは自由時間がある。
今はそれだけを考えるようにした。不安や疑問は全てここに置いて行って、またあの場所へ行ってみよう。
そうだ、おやつも一緒に持っていこう。
そう思い立った紗枝は祖父に肩たたきをしてあげるべく足早に廊下を駆けていった。
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