52: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:14:50.50 ID:nY0iWbpOO
「……サーさんっ! プロデューサーさんっ!」
「んん……」
「やった、目を覚ましましたっ!」
53: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:15:28.35 ID:nY0iWbpOO
「はい、プロデューサーさん」
「ありがとう美穂」
シャワーを浴びて美穂が入れてくれたコーヒーを頂戴する。いつも俺が事務所で飲んでいる姿を見ていたからか俺が言わずとも砂糖を入れてくれる。昨日は寝てしまわないようにブラックコーヒーを飲んだけど、基本的には砂糖を3つ入れないととてもじゃないけど飲めないくらい子供舌だ。あれだけ苦いをして結局眠ってしまい苦々しい気分だ。
54: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:18:01.21 ID:nY0iWbpOO
「お花見しよーよ! はい!」
「やはり桜を見ながら飲むお酒は別格でありますな!」
「まだまだ料理はありますからね! どんどん食べてくださいね!」
55: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:18:33.07 ID:nY0iWbpOO
美穂のお酒のつまみ好きは割と有名で、未成年でお酒が飲めないにも関わらずお酒の強そうなアイドルランキングで上位に食い込んでるほどだ。呑兵衛アイドルの皆様とおつまみの話で盛り上がっていたって報告もあるくらいだしね。
「美穂は何飲む?」
「えっと、じゃあオレンジジュースを……」
56: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:19:15.01 ID:nY0iWbpOO
「プロデューサーさん、寝相悪いね」
「一応聞くけど加蓮。今の季節は?」
「見ての通り、夏だけど?」
57: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:20:03.68 ID:nY0iWbpOO
「きゃー! 美穂の足元にフナムシの行進!」
「きゃあ!?」
可愛らしい悲鳴と共に美穂が転がるように木の裏から出て来た。水着で。
58: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:21:57.58 ID:nY0iWbpOO
「いや、つーかなんで水着あんのさ」
「早起きして外見たら絶好の海日和になってたから、寮のみんなを起こして亜季さんの運転でモールまで水着買いに行きましたとさ」
なら起こしてくれてもよかったんじゃないか? 俺ずっと夏草の中で寝てたんだぞ。
59: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:22:26.32 ID:nY0iWbpOO
「ショッピングモールに売ってありました! 実は私、テレビで見た素潜りでの銛突きに憧れていたのです」
恐らくとったどー! ってフレーズでお馴染みのアレだろう。
「しかし都会の海は濁っていて海の中の魚ははっきり見えず、銛突きには不向きでした。しかし、ご覧ください! この透き通るような海の青! まるで沖縄の海をそのまま持ってきたみたいではありませんか!」
60: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:23:08.30 ID:nY0iWbpOO
「ここって朝来たんじゃなかったの?」
肇が行きたがっていた場所はショッピングモールだった。でも朝美穂以外のみんなは亜季の運転で水着を買いにきたはずだけど……。
「……その、あまり他の人に聞かれたくないと言いますか……私もできることなら信じたいんですが」
61: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:23:45.07 ID:nY0iWbpOO
「それともう一つ。思い出したのはついさっきなんですけど……最近山紫水明で活動してた時、芳乃さんが言っていたんです。何か良からぬ気が近づいていると」
「良からぬ気……? いきなりオカルトな話になってきたな」
いや、今俺たちがいる状況がオカルトそのものなんですけどね。
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