53: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:15:28.35 ID:nY0iWbpOO
「はい、プロデューサーさん」
「ありがとう美穂」
シャワーを浴びて美穂が入れてくれたコーヒーを頂戴する。いつも俺が事務所で飲んでいる姿を見ていたからか俺が言わずとも砂糖を入れてくれる。昨日は寝てしまわないようにブラックコーヒーを飲んだけど、基本的には砂糖を3つ入れないととてもじゃないけど飲めないくらい子供舌だ。あれだけ苦いをして結局眠ってしまい苦々しい気分だ。
「まさか眠ってしまうとは……不覚! 私まだまだ鍛錬が足りぬということですな……!」
いくら身体を鍛えてマッチョになったところで催眠術じみた睡魔には勝ちようがないぞ。
「しかし今度は順当に春がきたか」
相変わらず周りは海だけどあちらこちらで桜の木が存在感をアピールしている。始まりと別れの季節の象徴である桜だけど、12月15日が繰り返されるこの世界だと異質でしかない。
「やはり今日も12月15日……これじゃあ私と美穂殿は歳を取る事ができませんな」
亜季は寂しげに漏らす。ただ去年よりも一本多く蝋燭を立てることも出来ないのか。
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