37:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:15:53.55 ID:QXbKSZYO0
――それもそうか。
確かに、私達は同じプロジェクトの仲間。立場は対等、だな。
「では、アーニャ」
38:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:17:56.20 ID:QXbKSZYO0
「出来ないことは、頑張ればいつか、出来るようになります。
出来るようになると、フヴァリーチ……褒めてもらえます。
小さい頃、パパとママはよく褒めてくれました。
パパとママ、離れていても、それを思い出せたら、寂しくないですね」
39:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:19:38.91 ID:QXbKSZYO0
「アーニャさん?」
訳も分からず手を引かれ、大鏡の前に二人並んで立つ。
こうして自分と比較すると、年齢の割に長身で均整な彼女のプロポーションが、より際だって見える。
40:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:22:52.41 ID:QXbKSZYO0
「それで? アーニャちゃんは千夜ちゃんに何を命令したの?」
その日の夜、私の部屋にはお嬢様ともう一人、アーニャさんが来ていた。
寮の食堂でお嬢様がアーニャさんを見つけ、この定期報告の場に彼女を招待したのだ。
41:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:24:20.40 ID:QXbKSZYO0
お嬢様は首を振った。
「むしろシンデレラプロジェクトの皆には、千夜ちゃんのこと、どんどん誘ってあげてほしいの。
色んなことをしてくれた方が、私も千夜ちゃんから色んなお話を聞けるからね」
42:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:26:20.53 ID:QXbKSZYO0
しかし、予定された日のレッスンは午後の遅い部であり、終わる頃には夜だ。
アーニャさんが言うには、それは夕食を食べた後に行うのだという。
一体、彼女の趣味とは何だろうか?
43:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:39:39.62 ID:QXbKSZYO0
東京でも、こんなに見れるものなんだな。
こうしてマジマジと見るのは、随分と久しぶりな気がする。
「ズヴェズダ……」
44:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:42:24.27 ID:QXbKSZYO0
アーニャさんが指差すものに、私が答える。
彼女が笑う。
アーニャさんから、自分にも聞いてみてほしいと言われ、私が適当な星を指差す。
彼女が誤った回答をし、私がそれを正すと、彼女はキラキラとはしゃいで、また笑う。
45:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:43:51.61 ID:QXbKSZYO0
明確なミスをした訳ではない。
レッスンを終えた後、トレーナーから私達に対し、改善点の指摘があった。
私への指摘の方がアーニャさんのそれよりも多かったため、私はそれを勝敗の判断基準とするよう提案したのだ。
「どうして、と言われても……実力の差としか、言いようがないと思います」
46:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:45:29.41 ID:QXbKSZYO0
「チヨは、笑えます。だって」
アーニャさんは、握った私の手を自身の頬に近づけた。
「アーニャに、ズヴェズダを教えてくれる時のチヨ、笑っていました」
47:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:46:52.67 ID:QXbKSZYO0
なぜあんな事を言ったのだろう――。
自室に戻ってから、椅子の上で一人自問している。
「あ、千夜ちゃんいた。ねぇねぇ千夜ちゃん♪」
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