白雪千夜「足りすぎている」
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48:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:48:24.15 ID:QXbKSZYO0
 金色の長い髪をだらんと垂らし、上から覆いかぶさるように、お嬢様のお顔が私の目の前に現れた。

「お、お嬢様……お越しになられていたのですか。申し訳ございません」
「ううん、いいよ。
 珍しいね、気ぃ遣いの千夜ちゃんが自分の世界に籠ってボーッとするなんて」
以下略 AAS



49:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:51:19.65 ID:QXbKSZYO0
 てっきり、346プロ所属のアイドル達によるライブイベントの映像かと思っていた。
 だが、実際に見てみると、収録されているのは他社のプロダクションが主催するライブのようだ。

 お嬢様の話によれば、貸した当人はDVDを間違えた認識は無かったようで、業界研究用ではなく、あくまでプライベート用に持っていたものだという。
 筋金入りのアイドル好きなのだろう。
以下略 AAS



50:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:54:02.19 ID:QXbKSZYO0
 ――――


 ――夢か。

以下略 AAS



51:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:55:56.23 ID:QXbKSZYO0
 ――――。

 携帯にセットした二つ目のアラームの音に、起こされる。
 いつの間にか、布団に入って眠っていたのか。

以下略 AAS



52:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:57:05.86 ID:QXbKSZYO0
   * * *

「李衣菜チャン! 今日はみくが早起き勝負に勝ったから、一日みくの言うこと聞くにゃ!」
「そんなのズルいよ! 昨日私が早く起きた時はそんなの言わなかったくせに!」
「ちゃんと約束したもん! つべこべ言わずに猫チャンになる!」
以下略 AAS



53:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:00:50.85 ID:QXbKSZYO0
「しーぶりん! 朝ごはん食べたらランニングしよう、ランニング!」
「やってもいいけど、私は競走なんてしないからね」
「な、何で!? 人はなぜ走るのか、考える脚だからである。
 じゃあしまむーやろうよ! 勝った方が今日一日私をちゃん付けね!」
「うえぇっ!? わ、私は普段からちゃん付けですし、そもそも未央ちゃんが勝つの前提……!」
以下略 AAS



54:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:02:18.06 ID:QXbKSZYO0
「そこまで憂慮すべき事態でもないと考えています」

 この風潮について、何となく申告してはみたが、コイツはどうも楽観視している。

「お前は、メンバー同士の穏やかならぬこの状況が、プロジェクトとして問題ではないと思っているのですか」
以下略 AAS



55:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:04:14.01 ID:QXbKSZYO0
 合宿の始期から当日までの、メンバー各々の予定とレッスン日程がビッシリ示されている。
 それまで他人事のように捉えていたものが、白雪という名前を見ると、ようやく我が事としての実感が湧いてくる。

「白雪さんは、このセットリスト、いかがでしょう」
「経験がないのに、聞かれても答えられるはずがありません」
以下略 AAS



56:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:05:49.56 ID:QXbKSZYO0
「チヨ。一緒にチーム、組みましょう」

「何の、ですか?」
「リレー、ですね?」

以下略 AAS



57:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:08:48.44 ID:QXbKSZYO0
 と思ったものの――。

「はぁ、はぁ……!」

 い、意外と皆、本気でやるもんだな。
以下略 AAS



58:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:10:34.20 ID:QXbKSZYO0
 次は飴食い競争。
 ご丁寧に、小麦粉がたっぷり入った大皿をわざわざ用意するという力の入れようだ。

 これに、顔を埋めろと?

以下略 AAS



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