白雪千夜「足りすぎている」
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57:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:08:48.44 ID:QXbKSZYO0
 と思ったものの――。

「はぁ、はぁ……!」

 い、意外と皆、本気でやるもんだな。
 遊びじゃないのか。何なんだこの殺伐とした空気は。

「ちよちー早く! らんらんが後ろから来てるよぉ!」
「チヨ! ダヴァーイ!」
「ぜぇ、ぜぇ……ふんす、わ、我が翼に宿りし魔力、今燃やし尽くす時、かひゅ……!」

 蘭子さんの猛追をやっとの思いで振り切り、杏さんにバトンを渡す。
 しかし彼女は、傍目にも明らかなほどにやる気の無いペースでノロノロと走り出した。

「ふ、杏さん、早く……せっかく私が、こんなに、が……頑張って……!」
「省エネ運転が杏の売りだからねぇ」

 こ、この人は――!

 結局、その予期せぬブレーキが響いてしまい、私達のチームは負けた。



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