262:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 00:36:57.30 ID:Hn+oLRjQ0
黒埼ちとせ 【 アクセルレーション 】
263:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 00:42:59.86 ID:Hn+oLRjQ0
「お嬢様……」
縦横無尽に緩急をつけたリズムが加速していく。
呼吸をするのも忘れ、目を離すことができない。
264:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 00:46:40.36 ID:Hn+oLRjQ0
なぜ、アイドルのステージが胸を打つのか、お嬢様の姿を見てようやく分かった。
あの人は、自分を投げ出している。
本気の命を燃やしている。
265:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 00:49:51.39 ID:Hn+oLRjQ0
「お嬢様っ!」
舞台袖に駆け込むと、お嬢様は美城常務の腕に抱かれていた。
まるで糸の切れた人形のように、その手足には力が入っておらず、目の焦点も合っていない。息も絶え絶えといった様子だ。
266:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 00:53:14.21 ID:Hn+oLRjQ0
「当たり前です」
この人の身に何かあったら、私は346プロを許さないだろう。
それがたとえ、どれだけ感動を与えるステージを作り上げた結果であろうと。
267:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 00:55:58.94 ID:Hn+oLRjQ0
「……チヨ」
アーニャが傍に寄り沿い、私の手を取った。
彼女にとって――私にとって、すっかり恒例になった、いつもの儀式だ。
268:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:00:51.42 ID:Hn+oLRjQ0
「……はいっ」
私は立ち上がり、舞台の方へと向き直った。
舞台の上では、未央さんとありすさんが即興のMCで何とか場を持たせている。
269:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:03:52.26 ID:Hn+oLRjQ0
中央まで進み、立ち止まると、スポットライトがパッと私を照らす。
直後に巻き起こる歓声。
慣れというのは、怖いものだ。
あれだけ私の心を惑わしたものが、こうして何度も受けているうちに感覚が麻痺してくる。
270:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:11:41.45 ID:Hn+oLRjQ0
曲に入る前のMCは、当初の予定にはなかった。
私は、何を言っているのだろうな――。
だが、スルスルと言葉が次から次へ、溢れてくる。
271:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:13:15.65 ID:Hn+oLRjQ0
白雪千夜 【 悠久の旅人 〜Dear boy 】
301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20