268:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:00:51.42 ID:Hn+oLRjQ0
「……はいっ」
私は立ち上がり、舞台の方へと向き直った。
舞台の上では、未央さんとありすさんが即興のMCで何とか場を持たせている。
その手前には、私に魔法をかけてくれたアイツ。
「どうぞ、白雪さん」
そして、私にライブが持つ力を示した凛さん。
「落ち着いて、しっかりね」
杏さんは、まぁいい。
「もうこれ以上ハードル上げんのやめない?」
――そして。
「チヨ……楽しんできてください。
楽しくなれば、お客さんも、アーニャも、楽しいですね?」
「アーニャ……」
彼女から受けた温かみを、せめて返さないことには、アイドルを辞めることなどできはしない。
「行ってきます。見ていてください」
奏さんが、舞台の上の二人に合図を送る。
未央さんとありすさんが手を振り、下手側に捌けていったのを確認すると、私はステージへと歩き出した。
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