212:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 19:26:06.96 ID:1/ZkFkMM0
――――。
「……“Dear boy”」
213:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 19:31:37.91 ID:1/ZkFkMM0
これはバラードだ。
振付もある程度考案されているにせよ、ダンサブルに仕上がるとは思えない。
つまり、ちとせさんの『アクセルレーション』に、真っ向から張り合うような曲ではないと言える。
おそらくキーとなるのは、ほぼ純粋な私のボーカル力だけになるな。
214:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 19:33:41.55 ID:1/ZkFkMM0
21時頃まで席を外します。
残りはあと3割弱ほどで、2時頃までに完結できればと考えています。
215:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 21:05:58.00 ID:1/ZkFkMM0
* * *
「ンー! カナコちゃんのクッキー、すーっごく美味しいよー。
アタシの作ったフォンダンショコラもどうぞ召しませしるぶぷれ〜♪」
216:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 21:07:25.46 ID:1/ZkFkMM0
本番まで、あと一週間と少し。
最後の追い込みは、とかく事務所内にピリピリとした空気が漂いがちだ。
まして、シンデレラプロジェクトとプロジェクトクローネは、一応のライバル同士。
フレデリカさんがこのような場を設けてくれたのは、思いつきであったにせよ、何かしら温かな意図があったのだろう。
217:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 21:10:49.70 ID:1/ZkFkMM0
誰かと思ったら、文香さんだった。
ソファーに佇み、紅茶のカップを両手で持って優美に微笑んでいる。
「先日、誤ってレッスンを拝見したことがありましたが……トレーナーの玲音さんと、とても楽しそうに勤しんでおられました。
私に気がつくと、お二人とも気軽に中にお招きいただくどころか、出来を見て欲しいと、ちとせさんのダンスを見せてもくださり…」
218:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 21:14:29.72 ID:1/ZkFkMM0
「玲音さんねー、ゆいもこないだちょこっとだけ話したけどチョーいい人だったよ!」
「えっ、唯ちゃん話したの!? それアタシも呼んでよ、いいなぁ!」
「お姉ちゃんも話したことないんだ?」
「当たり前でしょ! ずーっと雲の上の人なんだから」
「あ、そういやあたしも「実家の和菓子ですー」って差し入れに行ったけどめっちゃ面白い人だったよ玲音さん」
219:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 21:23:31.66 ID:1/ZkFkMM0
「千夜は行かないの?」
杏さんがお決まりのソファーから身じろぎもせず、テーブルの上に残ったお菓子におざなりに手を伸ばす。
きらりさんがそれを、彼女の方に引き寄せてあげた。
220:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 21:24:44.96 ID:1/ZkFkMM0
「あーそれ杏が一番分かんないヤツだ」
「あなたに理解してもらいたいとは言っていません」
「知ってるよ」
同じく部屋に残ったアーニャの、クスッと笑う声が隣で聞こえる。
221:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 21:27:59.00 ID:1/ZkFkMM0
「李衣菜チャン! 出口の方を抑えといて!」
「えぇっ!? で、でも出口あっちとこっち二つあるけど!?」
「凜ちゃん、あっちの出口をお願い! 卯月ちゃんは私達と手分けして下の階から当たりましょう!」
「はい! 頑張りますっ!」
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