124:名無しNIPPER[sage]
2019/10/17(木) 13:51:23.60 ID:blhg1PulO
ギャルゲーから
全部すき
125: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:02:58.20 ID:oirXOrgR0
「……」
紺色のスクール水着を身に着けた少女たちが、私たちの目の前に立っていた。一人の男を囲むように――護るように、一部の隙もなく。
その佇まいは一見すると傅く下女のようでさえあるのに、私は熱気にも似た空気の泥濘に囚われて、微動だにできない。手のひらが汗ばむがそれさえも拭えず
126: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:03:38.70 ID:oirXOrgR0
「後藤田、元気か。調子はどうだ」
「可もなく不可もなく、と言ったところです」
127: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:09:03.23 ID:oirXOrgR0
その一連のやり取りは、きっと五人の間でのみ通じる符丁のような何かだったのだろう。わたしと姉さまが目配せで意図を伝え合っていたように、そうやって五人は互いの絆を確かめ合っているのだ、そんな気がした。
彼女たち全員の薬指には指輪が輝いている。
「ま、新入りに話があるのは本当だ。おれは国村。国村健臣。名前くらいは聞いたことあるだろう? ……というのは少し自信過剰にすぎるか」
128: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:12:22.20 ID:oirXOrgR0
「お前ら少し黙ってくれ。おれは『浜松泊地』に用があって、北海道まで来たんだ。
んで、新入り、CSARにはもう慣れたか?」
「いいえ、残念ながら、入って日が浅いので」
129: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:13:32.04 ID:oirXOrgR0
「勘違いしないで欲しいんだが、CSARは単なる救助作業じゃあない。勿論、誰かを救うことは名誉なことで、重要なことだ。だが、本懐はそこになく……つまりおれたちは、大人の都合で誰かが犠牲になるのを防ぎたいわけだ」
「……」
130: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:18:48.77 ID:oirXOrgR0
「……っ!」
つい覗き込んでしまった彼の瞳の色を見て、背筋が凍りそうになる。
眼を逸らしてからしまったと息を呑む。けれど彼はにやり、意地の悪そうな笑みを浮かべるばかり。
131: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:19:49.25 ID:oirXOrgR0
「んで、後藤田よぅ。目的の用事なんだが」
「はい」
132: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:26:45.25 ID:oirXOrgR0
そんな中でのイベント――私も後藤田提督ときもちは同じだ。まさか本当に、深海棲艦による統率のとれた襲撃があるだなんて。
「そんな顔をするんじゃねぇよ」
133: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:27:14.86 ID:oirXOrgR0
「あぁ……」
ため息にも似た声を出す後藤田提督。わかる。私でさえも、その遠い南洋の泊地のことは、聞き及んでいる。
数年前に深海棲艦の襲撃にあって滅んだという泊地。まさかそれがイベントによるものだったなんて。
134: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:28:06.97 ID:oirXOrgR0
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ここまで
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