127: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:09:03.23 ID:oirXOrgR0
その一連のやり取りは、きっと五人の間でのみ通じる符丁のような何かだったのだろう。わたしと姉さまが目配せで意図を伝え合っていたように、そうやって五人は互いの絆を確かめ合っているのだ、そんな気がした。
彼女たち全員の薬指には指輪が輝いている。
「ま、新入りに話があるのは本当だ。おれは国村。国村健臣。名前くらいは聞いたことあるだろう? ……というのは少し自信過剰にすぎるか」
反応していいものだろうか? 周囲を窺うと、後藤田提督から大淀、大鷹まで、みんなが私を見ていた。
唾を呑みこんで、半歩前に出る。
「いえ、お名前だけなら何度も」
「そうか。おれも随分と有名になったもんだな」
「有名税もだいぶ払ってるでち」
「まぁそう言うなよ。たま……田中のおっさんの後釜ってだけで、敵が多くっていけねぇ」
「ちなみに、そこのコンセントんとこに盗聴器仕掛けられてたのね」
「やっぱりか。確認させといてよかったな」
「どうします? このレンタルオフィスの法人、裏とりますか?」
「どうせ小金もらった従業員の仕業でしょ。わかりっこないわよ」
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